夜更けの東京横断
2007年 11月 12日
気づいたら、終電の時間がとっくに過ぎていた。
アルコールに侵食された頭で、フラフラなじみのない街を歩いていたが、なんとなく思いつきで東京タワーを見に行くことにした。
ビルの隙間から時々覗く東京タワーのてっぺんを目印に、夜更けの六本木を一人散策する。景色の移り変わりとともに、前後の脈絡のない記憶が浮かんでは消えていく。
意外とあっけなく、ライトアップされた東京タワーのふもとに着いた。ケータイをかざし、見上げつつ撮った写真をそのまましばらく眺めていたが、ふと思いついてブログにアップした。この時間、この場所に、自分が存在していた証しとして。
「東京タワーまで来たのだから」また、自分しか理解できない突飛な思いつきが浮かぶ。「……築地まで行ってみるか」
ケータイのナビを使っていたのだが、曲がらなくても良いところで曲がって、修正しようと無闇と歩き回ってたら、道に迷った。バッテリが少なくなってきたので、ケータイの電源は切ってしまった。
ひたすら、歩き続ける。この時間、走っている車はほとんどがタクシーか長距離トラック。すれ違う歩行者もいない。
どのくらい歩いただろうか。のどが渇いたので、自販機でペットボトルのお茶を買い、体に流し込んだ。
アルコールが抜けていくのと同時に、疲労が蓄積されていくのが感じられる。突然、軽い既視感に襲われた。
見覚えがある通り。以前、来たことがあるのだろうか?
築地はとっくに過ぎていたが、僕は歩くのをやめなかった。
新聞配達の原チャリが、エンジンをかけたままとめてある。
明らかに、周囲の空気は「夜」から「朝」に移り変わろうとしている。
シャットダウンしようとする体を無理やり動かし、前へ進む。いくつか川を渡った気がする。橋を渡る間、欄干から身を投げ、川面に落下する自分を想像していた。
5時半過ぎ、きっかり3時間かけて、僕は東京都の東のはずれにある自宅にたどり着いた。妻と娘が寝ているベッドに身を滑り込ませ、しばらく天井を見つめていたが、いつの間にか眠ってしまったようだ。
アルコールに侵食された頭で、フラフラなじみのない街を歩いていたが、なんとなく思いつきで東京タワーを見に行くことにした。
ビルの隙間から時々覗く東京タワーのてっぺんを目印に、夜更けの六本木を一人散策する。景色の移り変わりとともに、前後の脈絡のない記憶が浮かんでは消えていく。
意外とあっけなく、ライトアップされた東京タワーのふもとに着いた。ケータイをかざし、見上げつつ撮った写真をそのまましばらく眺めていたが、ふと思いついてブログにアップした。この時間、この場所に、自分が存在していた証しとして。
「東京タワーまで来たのだから」また、自分しか理解できない突飛な思いつきが浮かぶ。「……築地まで行ってみるか」
ケータイのナビを使っていたのだが、曲がらなくても良いところで曲がって、修正しようと無闇と歩き回ってたら、道に迷った。バッテリが少なくなってきたので、ケータイの電源は切ってしまった。
ひたすら、歩き続ける。この時間、走っている車はほとんどがタクシーか長距離トラック。すれ違う歩行者もいない。
どのくらい歩いただろうか。のどが渇いたので、自販機でペットボトルのお茶を買い、体に流し込んだ。
アルコールが抜けていくのと同時に、疲労が蓄積されていくのが感じられる。突然、軽い既視感に襲われた。
見覚えがある通り。以前、来たことがあるのだろうか?
築地はとっくに過ぎていたが、僕は歩くのをやめなかった。
新聞配達の原チャリが、エンジンをかけたままとめてある。
明らかに、周囲の空気は「夜」から「朝」に移り変わろうとしている。
シャットダウンしようとする体を無理やり動かし、前へ進む。いくつか川を渡った気がする。橋を渡る間、欄干から身を投げ、川面に落下する自分を想像していた。
5時半過ぎ、きっかり3時間かけて、僕は東京都の東のはずれにある自宅にたどり着いた。妻と娘が寝ているベッドに身を滑り込ませ、しばらく天井を見つめていたが、いつの間にか眠ってしまったようだ。
by t0maki
| 2007-11-12 02:50
| 乱文・雑文
|
Comments(0)