夏の終わりの、恐怖体験
2007年 09月 01日
案内された席に着くと、既に水の入ったコップが用意されていた。室内には、落ち着いた感じのクラシック音楽。先ほど席を案内してくれた若い女性が、「失礼します」と言って、服が汚れないように紙製のエプロンを付けてくれた。
「今日はどんなメニューだろう?」
手を伸ばせば届く所に、銀色のトレーに載せられた道具が並んでいる。
既に、他の席では皆が思い思いの格好で口を開けつつ、それぞれのサービスを楽しんでいる。
「お待たせしました」
落ち着いた雰囲気の比較的若い男が、かしこまった様子で私の席の隣に立った。
「本日担当させていただきます、S井と申します。こちらは本日初めてでしょうか?」
「いえ、数年前にも一度来た事があります」
「そうでしたか。では、早速……」
そう言うと、S井はいきなり私の口の中に手を突っ込み、中を覗き込んで来た。と、同時にハイピッチのノイズが頭の中を駆け巡り、軽い疼痛と振動が脳みそを刺激し、何かの液体が口の中に溢れるのを感じた。強烈な閃光を顔面に当てられ、目を開けていられない。クラシック音楽は遠のき、不安と恐怖のために私は全身の筋肉を硬直させた。
S井の助手と思われる若い女性は、そんな私の様子を全く感情の無い目で見つめている。
口の中に巨大なプラスチックと粘着質の物体を押し込まれ、しばらく私はその場に放置された。
私は脱力した格好で椅子に体を凭れさせ、遠くから差し込む光をぼんやりと眺めていた。
「それでは、一週間後に詰めますので、また来週いらしてください」
「はい、ありがとうございます」
そう言いながら椅子から立ち上がり、私はその場を後にした。
次回の歯医者の予約は、9月8日。
「今日はどんなメニューだろう?」
手を伸ばせば届く所に、銀色のトレーに載せられた道具が並んでいる。
既に、他の席では皆が思い思いの格好で口を開けつつ、それぞれのサービスを楽しんでいる。
「お待たせしました」
落ち着いた雰囲気の比較的若い男が、かしこまった様子で私の席の隣に立った。
「本日担当させていただきます、S井と申します。こちらは本日初めてでしょうか?」
「いえ、数年前にも一度来た事があります」
「そうでしたか。では、早速……」
そう言うと、S井はいきなり私の口の中に手を突っ込み、中を覗き込んで来た。と、同時にハイピッチのノイズが頭の中を駆け巡り、軽い疼痛と振動が脳みそを刺激し、何かの液体が口の中に溢れるのを感じた。強烈な閃光を顔面に当てられ、目を開けていられない。クラシック音楽は遠のき、不安と恐怖のために私は全身の筋肉を硬直させた。
S井の助手と思われる若い女性は、そんな私の様子を全く感情の無い目で見つめている。
口の中に巨大なプラスチックと粘着質の物体を押し込まれ、しばらく私はその場に放置された。
私は脱力した格好で椅子に体を凭れさせ、遠くから差し込む光をぼんやりと眺めていた。
「それでは、一週間後に詰めますので、また来週いらしてください」
「はい、ありがとうございます」
そう言いながら椅子から立ち上がり、私はその場を後にした。
次回の歯医者の予約は、9月8日。
by t0maki
| 2007-09-01 21:15
| 乱文・雑文
