「A month into a moth」プロジェクト

 またひとつ、年をとった。4月22日は僕の誕生日。ジャック・ニコルソンと、峰藤子の声をやってる人も同じ誕生日。ちなみに、峰藤子の声優さんの方が、ジャック・ニコルソンより一歳年上だって、知ってた?
 
 この一年、いろいろあったけど、ぐるっととんでもないところを一周して、結局元いたところに戻った、みたいな。でも、全部が無駄になったってわけではなく、良い経験になったことは確か。この経験を次の仕事に活かしたいと思う。
 
 さてさて、このことはブログにもちょろっと書いたけど、この有給消化の期間を利用して、僕はいろいろと今までできなかった創作活動を思いっきり実行しよう、と思っています。「A month into a moth」っていうのが、プロジェクトのタイトル。「蛹から蛾へ」みたいな感じ。直訳はちょっと違うけど、ニュアンス的に。
 つまり、約一ヶ月を使ってめいっぱい創作活動を行って、サナギから蛾になって羽ばたこう、と。蝶じゃなくて、あくまで蛾。蛾のようにしぶとく生きていこう、と。蝶のような優雅さとは、無縁の生き方をしてるからね……。
 
 留学先のアメリカの大学で専攻してたのが、陶芸彫刻。でも、在学中に油絵、彫刻、版画、写真のクラスを勝手に受講し、卒業してからアート学部のパソコンルームに忍び込んでデジタルアートを勉強し、最初は宝石デザイン会社のフォトグラファー、次にISPのカスタマーサポートやパソコンスクール講師を経て、ウェブデザイナーに。
 現在は、ウェブ制作を仕事にしつつも、「日曜アーティスト」を名乗って、待受画像制作や、超短編小説など、小っさい作品をちまちま作っている状態。家庭用の陶芸窯で、時々陶芸作品を作ったり、趣味のトイカメラで身の回りのものを写真に収めたり。
 
 最近は、そういった創作活動を「工房」と名付けたバーチャルな空間にまとめています。
 入り口を入ると、まず資料室と企画室。これから制作するプロジェクトのアイデアをまとめ、企画化していく場所になります。資料室には、技術資料や、アイデア作りに欠かせない資料などがカテゴリごとに分類されています。「A month into a moth」という企画もここで生まれ、さらにその中身となるプロジェクトも着々と進行中です。
 そこで企画がまとまると、制作部へ。ジャンルごとに担当のクリエイターが作品を形にしていく作業を行っています。総合クリエイターのTOMAKIは、待受制作、写真、モバイルを含むウェブ制作などのデジタル・コンテンツ制作やディレクションを担当。イラストやテキスタイルデザインを担当するキリン。陶芸彫刻と絵画など、芸術を担当するアーティストや、執筆を担当する久慈 誠というライターもここで制作作業をしています。表現の媒体も、ウェブサイトやモバイルサイトの他、写真集や、待受画像情報誌、メルマガ、ケータイ小説、POD出版、絵本、ポッドキャスティング、ブログに加え、渋谷の地下道で行ったゲリラ写真展など、思いつくままいろいろと。
 完成した作品は、コンテンツ管理部に移され、そこでカテゴリごとに分類され、アーカイブ化されます。現在は、Webサイト、待受画像、デジタル素材、写真素材、総合芸術系、執筆作品などがここに収録されています。
 そして、広告・宣伝部では、オンライン広告を含む作品のプロモーションや、プロフィールの作成などを含むプロデュース活動全般を行っています。
 最後に、総務・経理部。創作資金の管理や、請求書の発行を含む経理業務全般、制作機材や画材の購入などを行う部署です。
 これらの体系化されたシステムにより、「日曜アーティスト」の創作活動は運営されています。
 
 結局は、「遊び」でしかないんだけどね。一人でいろんな名前を使い分けて、気の向くままにいろんなジャンルで作品を作りまくる、と。かろうじて、待受画像制作で若干お金をもらうこともあるけど、基本的に趣味の世界だから、気楽に気軽に作りたいモノを作る、と。もちろん、これが仕事につながれば言うことないんだろうけど、まぁ、世の中そんなに甘くはない。ただ、この一ヶ月だけは、この「遊び」をとことん本気で追求しよう、と思っているワケです。
 サナギのまま、腐って死にたくはない。だからいっそ、見栄えのしない不細工な蛾でも、思い切り羽ばたいて飛んでみよう、と。そんな願いを込めて、「A month into a moth」プロジェクトを実行します。
by t0maki | 2007-04-22 01:54 | Comments(0)