トイレについて考える
2024年 10月 08日
大丸有SDGs映画祭の上映作品ラインナップを見た時に、観たい映画がふたつあった。ひとつ目はもう満席で見れなかったが、『君の根は。』という、リジェネラティブ(大地再生)をテーマにした映画。そしてもうひとつが、今回鑑賞した映画『ミスター・トイレ 世界のウン命を握る男』という、トイレ普及の活動を行うジャック・シムのドキュメンタリー。
最初は、冗談かと思ったけれど、極めて真面目にチャレンジしていて、インドや中国など世界で活動していて、面白い人だなぁ、と。よく、PRや広告業界にこういう人がいる。湯水の如く溢れ出るアイデアで世の中を動かそうとする人。優秀なんだけど、ちょっとみんなとはズレてるみたいな。そもそも、トイレのコスプレをする時点で、やっぱり違うよね。
屋外排泄の問題は、単にそれが非衛生的であるだけでなく、子どもの教育の問題や、ジェンダーの問題など、自分が意識してなかった領域にまで影響があることを知った。それでいて、排泄の問題って話しづらいし、目を向けにくい。慈善家が、学校や図書館をつくるってのはよく聞くけど、そういえばトイレをつくるってあまり聞かないよな。むしろ、衛生的なトイレの方が世の中にはより求められているものなのに。
インドの階級の高いバラモンの男性が、身分の低い人に混じってトイレから排泄物を運ぶシーンがあって、それは感動した。そういう、アクションができる人が、結果を出せるのだと思う。という一方で、「トランプ村」っていうパブリシティスタントをやってるってのも、それはそれで興味深い。
かなり面白い映画だった。そして、考えさせられる。WTOっていう「世界トイレ機関」も、ジャックさんがひとりでやってる分にはなにやら楽しげで面白そうな活動だけど、変に予算がついたり肩書をもらったりすると、組織が大きくなっていってゴタゴタガタガタしていくのも、「そうだよなー」って感じで興味深い。結局、大事なのは続けるということ。信念をもって。そうすれば、いつかは結果が出てくる。いきなり600万個のトイレを作れと言われてもうまく行かないかもしれないけど、とりあえず目の前にいる人たちに安全で快適なトイレをつくるというところから始めれば良い。
なんてことを帰りの電車で書いてたら、降りる駅を通り過ぎてしまった。面白い映画でした。
by t0maki
| 2024-10-08 21:24
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