アヒルのおもちゃ

信号待ちをしていたら、足元にゴム製のアヒルのおもちゃが落ちていることに気づいた。

今から２０年くらい前だろうか、このラバーダックを「Little Ducky」と名付けて、短い小説を書いていたことがある。都内の会社で働く女性「あなた」が主人公で、お風呂でこのおもちゃのアヒルと会話をするという内容の超短編シリーズ。

最初はメルマガで配信していて、さらにLittle-Ducky.comというドメインも取得してそこで作品を掲載した入り。短くて読みやすいので、ガラケー向けのモバイルサイトなどもつくった。プリントオンデマンド用につくった紙の本にも収録していたはず。渋谷のHMVや、表参道の青山ブックセンターなどで自分で試しにそのPODの本を買ってみたが、印税報酬を受け取る前にそのPODはサービス終了になった。

しばらく新作は書いてないので、２０年間所有していたそのドメインを今年の夏にサーバーごと解約した。正確には、まだドメインは残っているがサーバーがなくなったのでウェブサイトもなくなった、と。さすがに、２０年も使っていたサーバーがなくなるのはちょっと寂しい。

このアヒルは、お別れを言いに来たのだろうか。