オッペンハイマーを鑑賞

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学生の頃、ネバダの博物館でインターン生として仕事をしていたことがある。もともと博物館が好きで、大学で博物館学のクラスを受講した際に、ネバダの歴史博物館で働かせてもらえる機会をいただいたのだ。もちろん、喜んでインターンとして仕事をした。

そこで与えられた仕事のひとつが、収蔵品の写真資料を整理するというもの。ネバダにまつわるたくさんの写真資料の中に、原爆実験に関するものもあった。

私が住んでいたリノから西へ向かった砂漠の真ん中に、ネバダ核実験場がある。1951年に解説されたこの核実験場では、1992年までに928回の核実験が行われたらしい。その、実験を記録した映像や写真の一部は公開されて、博物館の収蔵品となっていたのだ。

第二次対戦中に、ナチスドイツやソ連と対抗するために開発された核兵器。それが、なぜ日本に落とされることになったのか。広島と、長崎に落とされたのか無差別大量殺人兵器。「戦争」というものの概念を変えてしまったこの爆弾が、どのように生まれたのかが描かれた映画。科学とは?

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映画は、音や映像がクリストファーノーランっぽさが出ていて良かった。オッペンハイマー博士が主軸の映画であるので、ここに日本への原爆投下シーンは登場しない。ただ、死者数が数字として出てくる。そして、黒焦げの死体が横たわる場面もあるが、これは妄想の中のモンタージュ的な描き方。

音が座席にビリビリと響く。映画館で鑑賞するべき映画だと思った。

by t0maki | 2024-05-25 14:52 | Comments(0)