新宿区立漱石山房記念館と、夏目漱石小説との出会い
2024年 02月 24日
「新宿区立漱石山房記念館」は、夏目漱石の生誕150周年を記念して東京都新宿区が開設した記念博物館。もともとこの場所には「漱石山房」と呼ばれる夏目漱石が晩年の9年間を過ごした住居があり、1945年に空襲で焼失した後は半分が「漱石公園」として残り、もう半分には都営住宅(のちに区営住宅)が建てられていた。2011年にこの区営住宅が移転したため、2017年にこの場所に夏目漱石の記念館がオープンしたのである。
漱石の書斎を再現した展示があるが、本の背表紙などはレプリカであり、実物は東北大学に寄贈されているとのこと。いや、レプリカも技術がすごいな。
初めて訪れたということもあり、順路がちょっと分かりづらかった。なんとなく行ったり来たりしながら、展示品を眺めていった。モニターパネルのスライドショーも、読もうとしたら次のスライドに切り替わってしまったり。森鴎外記念館の方は、スライドのページ送りを操作できるので、じっくり読めたのになぁと。
もともと夏目漱石の作品が大好きなので、また今度あらためてじっくりと訪れてみたいと思います。特別展や講座・イベントなどもあるのかな?カフェもあるので、そちらも利用したいが。
夏目漱石作品との出会いは、私が小学六年生の時。肺を壊して入院していた時に、同級生がお見舞いとしてハードカバーの「坊ちゃん」を持ってきてくれた。それがすごく面白くて、そこから夏目漱石の小説を読むように。大学を卒業し、ロサンゼルスに住んでいた頃、リトル東京の古本屋さんでおそろしく古い旧仮名づかいの「彼岸過迄」を見つけて、週末にコインランドリーで洗濯をしながらそれを読んでいたのを覚えている。中南米からの移民の人たちが多く住んでいる地域に住んでいたので、コインランドリーの中も会話はすべてスペイン語。店内に流れる陽気なメキシコの演歌のような音楽を聴きながら、自分が生まれるずっと前に書かれた古い文体の小説をひたすら読んでた。
そもそも、高校を卒業していきなり留学しようと思ったのも、夏目漱石のような先人たちが留学を経験していたからというのも大きいと思う。自分も、いつか海外で学んでみたいと。
先日実家に帰り、本棚から夏目漱石の文庫本を何冊か持ち帰ってきた。再読しよう。
by t0maki
| 2024-02-24 13:59
| 美術館・博物館
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