HUMAN AWESOME ERROR 展「Super Cell – n/f Pink Noise」を観てきました
2024年 02月 23日
大学を卒業する間際に個展を開いたのだが、その頃の僕は「複製」について特に興味を持っていた。石膏で人形の顔の型を取り、それをひたすら粘土で増やしていったり。写真や版画の手法を用いつつイメージをコピーし続けたり。コピーのコピーのコピーのコピーと複製を続けていくうちに、どこかでノイズが入る。Everything has tendency to break downという、エントロピー。
複製の際のノイズが突然変異を引き起こし、それが環境により適用できる因子となったときに、進化が起きる。ただし、その突然変異は生か死かを分けるような重大なものでなければならない。ただなんとなく「首が長ければいいな」と思ってもキリンのようにはならない。首が短いせいでことごとく食べ物が得られずに死に絶えたとき、首が長い種だけが生き残る。進化はある意味、環境不適合の死によって成り立つ。
細胞がコピーを繰り返すとき、エラーが起こることがある。細胞が正しく複製されず、壊れた細胞が生まれてしまう。そして、壊れた細胞は壊れた細胞を複製する。壊れた細胞が複製され続けた結果が、癌となる。少ないうちは、切除することで治る。あるいは、身体をリセットするようなショックを与えて、元に戻そうと試みることもある。うまくいくこともあるし、いかないこともある。
壊れてしまった箇所を細胞レベルでひとつひとつ修復していく方法は、現時点では存在しない。正常な細胞が強ければ、壊れた細胞は淘汰され、寛解する。進化の仕組みと同様に。
福原志保さんの、HUMAN AWESOME ERROR 展「Super Cell – n/f Pink Noise」を見にいった。旧万世橋駅の高架下を活用したギャラリー空間で。
少し前に見にいったのだが、いろいろ考えをまとめるのに時間がかかった。まだ、まとまってはいないけど。投稿しておく。
by t0maki
| 2024-02-23 11:48
| アート
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