神田祭で神輿を担ぐ
2023年 05月 14日

49歳になってもなお、新しいことにチャレンジできるのはありがたい。なんとこの歳で、神輿担ぎを初体験ですよ。
きっかけは、優美堂。この優美堂がある町会で、担ぎ手をやらせてもらうことになった。祭りの説明会で神田祭についての座学や、帯の結び方などの着付け体験をした後、神輿を担ぐために必要な服や足袋について教えてもらう。
鯉口シャツと、股引き。そして足袋が必要とのことで、浅草のあだちやさんへ。試着させてもらいつつ、自分の体に合うものを買った。特に、エアー足袋はすごい。金額は少し上がるが、自分の足にぴったりで疲れにくい足袋はとても良い。祭り当日は二万歩以上歩いたが、かなり快適だった。
今回、神輿を担ぐにあたって一番の心配は体力。というのも、前日に都内を50km歩くというイベントに参加することを決めていたから。その翌日に、神輿を担ぐ体力は残っているか。
この、2日連続の体力勝負のイベントに耐えられるくらいの体力を養うため、事前にトレーニングをしておいた。コースの下見をしつつ、ひたすら歩く。おかげで、50km歩いても翌日に神輿を担ぐ体力を残すことができた。
神輿を担ぐのは、面白かった。慣れないと、肩に神輿の持ち手の角材がゴンゴン当たる。あっという間に青あざだらけ。神輿の動きに合わせて、自分の姿勢も上下に動かし続けなければならない。でも、それでもガツンと当たる。と、よく観察してみると神輿は単純な上下運動ではなく、少し回転しながら前進する螺旋運動をしていることに気づく。まぁ、気付いたところでゴンゴン肩には当たるんだけどね。疲れてくると、身体がついてこない。
神輿の担ぎ手が密集するその中は、すごい熱気だ。あっという間に顔が真っ赤になり、汗がぶわっと噴き出てくる。リズムに合わせて掛け声をかけ、ステップを踏みながら少しずつ前へ進む。方向を見定めて神輿の進行方向を調整したり、ブレーキをかける役の人もいる。綱を持って、交通整理をする役の人も。担ぎ手がいるなか、のんびりとその後ろを歩いてくる子連れのお母さんや、ご老人も。みんなで楽しむのが祭りなのだ。男性に混じると、女性の担ぎ手は棒に背が届かない場合がある。肩に、なにやら小型の枕のようなものを挟んで高さを調整したり。あぁ、あの熟練された担ぎ手の、肩のこぶ。神輿ダコともいうようなものの、なんと心強いことか。
初めて神輿を担ぐ僕は、最初はおっかなびっくりと。周りの人の足を踏まないように気をつけつつ。こう密集して担ぐと、やっぱり足袋が必須なんだなと思った。だんだん慣れてくると、自然とリズムに乗っかれるようになる。神輿と、神輿を担ぐ全員が、ひとつの生き物になったような感覚。あの瞬間は、すごく面白い。
そして、宮入りへ。神輿担ぎのクライマックス。何度も出たり入ったりを繰り返して、焦らす。楽しむ。盛り上がる。
前回、コロナ禍の前、四年前に神田祭の神輿が出た時、僕は境内で群衆に混じって遠くから神輿を眺めていた。今回、僕はこの神輿を担ぐ中にいる。
とても良い経験だった。一生忘れないだろう。







by t0maki
| 2023-05-14 23:44
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