『The Law of Love』をSHIBAURA HOUSEで鑑賞
2022年 12月 17日
同性婚をテーマにしたチェコのドキュメンタリー映画『The Law of Love』を鑑賞してきました。場所は、港区にあるShibayra House。以前、よくここへイベントやワークショップ参加のために通ってましたが、久しぶりの来訪。やっぱりこういう、リアルな場でのイベントも良いですね。
今回の上映会は、オランダ王国大使館の共催で、国際人権デーの関連イベントです。オランダ・ハーグ発の映画祭「Movies that Matter」の上映作品でもあることから、今回の日本での限定公開が企画されました。
同性婚について、私自身は「いいんじゃない?」というレベルで、これまで特に深く考えたことはありませんでした。別に、反対する必要もないし。どのような反対意見があるのかもあまり知らない状態。
このドキュメンタリー映画には、同性婚に明確に反対する人たちも登場します。まず、同性婚は子供を産むことができないということ。まぁでも、異性婚でも子供を作らない人はたくさんいるから、これについては反対の理由としては弱い。同性婚の家庭で養子になった子供が可哀想という意見がありましたけど。昨今シングルペアレントが多い中、親が二人いるのは良いことなんじゃないですかね。
多様性を受け入れ平等ということが大事にされる世の中で、「同性婚」を受け入れることでさらに多様な結婚の形を許容しなければならなくなるかもしれないことに、恐怖を抱いているという意見をちらほらと見かけて、「あぁ、そうなのか」と。いつの世でも、予見しきれない見えないものを恐れるってのは確かにあるな、と。同性婚自体は反対しないけど、その先にあるもっとさらに別な形での結婚の形式とか、それによる世の中の変革が怖い、と。
モノガミーの崩壊による複合婚の台頭とか、小児性愛を許容することにならないかとか、あるいは動物やモノに対する愛まで言及されると、「おい、おい」とは思うのだけど、ようやく反対する人たちの気持ちが少し理解できたような。その上で、やっぱり僕は、同性婚は賛成だなと思いました。世の中は、どんどん同性の結婚を許容する方向で動いている。チェコでも、6割・7割の人たちは同性婚に賛成している。にもかかわらず、議員の人たちは自分からは積極的にその変革に賛成しない人もいて、あぁ、そういうものなのか、とか。
面白いドキュメンタリー映画でした。ちょうどチェコという国が、ヨーロッパの真ん中にあって、西と東の文化を両方持ち合わせてるということもあり。オランダが2001年に同性婚を許容したのに続いて、西の方からじわじわとその流れが広がっていて。今回のドキュメンタリー映画の中でも、チェコもその流れが確実にある。何年か後にこの映画を見返すと、「あぁ、こんな時代もあったな」って、懐かしく見返すことになるかもしれない。同性婚が受け入れられた世の中で。
もう一つ、この映画を観ていて面白かったのは、この同性婚のために活動する人たちの、戦略を立てたり、それぞれ役割を持って活動していたり、そういう動きが見えて興味深かった。テレビに出演する同性愛の人に対して、どのような発言が好ましいかを教えたり、出演時の服装にいたるまでアドバイスしたりなど。こういう人たちがいて、世の中が動いていくんだな、と。ここらへん、PRとか広報につながっていきますね。
上映会後、みんなで感想を話し合う「ダイアローグ」のコーナーもあって、参加者同士がそれぞれの立場でコメントしてたのも興味深かったです。このテーマについて、いろいろ考え、より深く知ることができてよかったです。
それにしても今週は、水曜日にチェコ共和国大使館の映写室で映画を観て以来、金曜日にはチェコ親善アンバサダーのクリスマスパーティーがあり、さらに今日もチェコのドキュメンタリー映画も観ることができて、チェコづくしの1週間でした。
by t0maki
| 2022-12-17 16:29
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