旧井上房一郎邸

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カプセルハウスKに宿泊した帰り、ふと思い立って高崎に立ち寄った。今から29年前、19歳の頃に山田かまち美術館を訪れたことがあったので、再訪してみようと思って。ちょうど、29年前に参加したシンポジウムで「アイヌ語教室」を受講して、その講師だった中川先生とつい先日再会する機会があって。他にもなんとなく偶然が続いて、29年前と記憶や体験が繋がるようなことが多かったので、なんとなく29年前の自分探しといった感じで。

高崎駅に降り立って、徒歩で山田かまち美術館を目指していたところ、高崎市美術館で『アルフォンス ミュシャ展』が開催されているのを見かけて、するすると吸い込まれるように入館した。ミュシャ、好きなので。スラブ叙事詩が描かれたミュシャのアトリエだった城にも訪れたことがあります。さらに、チェコ好きが嵩じて2018年から「チェコ親善アンバサダー」にも任命していただいているので、これはミュシャ展を見かけた以上は立ち寄らなければ、と。

高崎市美術館の『アルフォンスミュシャ展』

で、鑑賞し終わって外に出たのだけど、「旧井上房一郎邸」にも同じチケットで入れることを知り、再度入館しなおして受付で入り口を教えてもらって、そちらも訪れてみた、と。

井上房一郎さんという方を、僕は存じ上げていませんでしたけど、こうやって邸宅がわざわざ保存されて一般公開されているからには、さぞかし立派な方だったのでしょう。その程度の予備知識で入っていったのですが、とても素敵な邸宅でした。なんと、設計したのはチェコ人の建築家、アントニン・レーモンドさん。井上さんが若いころに民芸店を経営していた頃からの知り合いだそうで。もともとは東京の麻布にあった建物をここに移築して公開しているそうです。

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シンプルながらも、木を組んだ構造であったりとか、広々としていてとても素敵な建物でした。こういう家に住めたら素敵だろうな。

で、この後山田かまち美術館を訪れたのですが、実はかまちさんは小さい頃に井上房一郎さんに会ったことがあるそうで。その時に絵を褒められたことが、その後描き続ける自信にもなったのかなと思います。井上さんとかまちさんとのつながりがあったとは。全く別々のきっかけでたまたま訪れた異なる展示が、こんな風につながっていると知るのは面白いです。

僥倖ですね。

by t0maki | 2022-11-20 23:21 | Comments(0)