『こころの通訳者たち』は色んな人がそれぞれ楽しめる作品 #1日1記事P
2022年 10月 08日

同じ映画を観ても、見る人によって感じ方が違う。それはそれで良いと思う。
映画を作る人、あるいはそれを上映する人は、なるべくたくさんの人たちが楽しめる映画を作るためにいろいろ試行錯誤をしながら作品を関係させていく。
今回のポイントは、それがより質の高い、みんなが楽しめるような「音声ガイド」である、と。
シネマ・チュプキ・タバタで『こころの通訳者たち」を観てきました。手話でも楽しめる舞台をサポートした舞台手話通訳者の方々にスポットを当てた映像作品に、さらに音声ガイドを付けて劇場公開するまでを追いかけたドキュメンタリー作品という。マトリョーシカのようにいろんな要素が入れ子になってる作品。
とにかく、「すごい!」と思った。そのチャレンジと、それを実際に形にすることが。全く新しい、型破りな音声ガイドが出来上がっていて、そこへ辿り着くまでの皆さんの試行錯誤や創意工夫やいろんなチャレンジが見えてきて感動しました。とりあえずまずは「やってみる」ということ。大事ですね。
いろんな人が映画を観ることができる場所。ユニバーサルシアターにふさわしい作品でした。



僕がテレビ以外で生まれて初めて観た映画は、『未知との遭遇』です。近くの公民館で、父に連れられて観に行ったことを今でも鮮明に覚えています。スピルバーグ監督のこの映画、映像がすごかったのでとてもよく覚えているのですが、もうひとつ覚えている理由としてはそれが字幕での上映で、当時の僕はまだ字幕が読める年齢ではなかったということ。小学校の低学年じゃなかったかな。ともかく、字幕を読もうと努力するものの、読めない漢字も多く、なによりスピードについていけずに悔しい思いで観てました。そのことをすごくよく覚えています。
それ以降、両親に映画を観に連れて行ってもらったことは一度もなかった。
19歳の時に新宿の映画館で初めて観た映画がディズニーアニメの『アラジン』でした。当時付き合っていた彼女とのデート。ひたすら緊張した記憶。
映画自体はとても好きで、よく水野晴郎さんの金曜ロードショーとか、淀川さんの日曜ロードショーや、木村さんの水曜ロードショーなどを見てました。自宅にビデオがなかった頃、『風の谷のナウシカ』のテレビ放映を音声だけカセットテープに録音して、文庫版の絵コンテを見ながらよく聴いてました。
高校を卒業して、留学をする頃には字幕なしで映画を観られるように。ネバダの地元にある映画館で、新作からちょっと古くなった映画を1ドル50セントで観せてくれるところがあって、よくそこにも通ってました。
字幕が読めなかった頃に観た『未知との遭遇』をあらためて英語で観てみると、冒頭のフランスアクセントやスペイン語も分かるようになり、もちろんストーリーもようやく把握できるようになって、ようやく映画の内容を十分に理解できました。
『ダイハード』を初めて英語版で観た時も、登場人物の個性がそれぞれの喋り方やアクセントに出てたりもして、ようやく「あぁ、こういうことだったのか」と理解しました。
何が言いたかったかというと、映画の見方は人それぞれということで。小学生時代に観たUFOの映像もそれだけですごかったし。言葉が分かるとさらにいろいろ見えてくることもあるし。ある人にとっては音楽や効果音にしびれたり、映像の迫力に圧倒されたり、あるいはセリフや演技で感銘を受けることもあるのだろう、と。
例えば、耳が聞こえない人が映画を観たとしたら、目から入ってくる情報をしっかりと鑑賞するだろうし。目が見えない人であれば音声ガイドがストーリーを理解する手段となる、と。
喋る言葉が違えば、必要になる字幕も変わってくる。字が読めなければ、吹き替えが有効である。
なので、こんなふうにとことん音声ガイドにこだわった映画というのも良いなと思う。まさに、先駆者的なチャレンジ。画期的で型破りな音声ガイド、かっこいいです。
by t0maki
| 2022-10-08 12:53
| ライフスタイル>映画・書籍
|
Comments(0)