「東京ビエンナーレ2023 はじまり展」のはじまり #1日1記事P

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東京ビエンナーレの「優美堂再生プロジェクト」に最初に関わったのは2020年8月の終わり。中村政人さんがFacebookで市民ボランティアの参加を呼び掛けていて、「面白そうだな」と思って参加したのがきっかけ。最初は、優美堂に眠るものすごい量の額縁の搬出からはじまって。前身真っ黒の埃だらけになりながら空っぽになった建物の壁や床や天井を剥がしていく作業。その後、防水シートや断熱材を壁に貼っていって、シナベニヤや石膏ボードを壁に貼りつつ。みんなで協力して建物を補強するための鉄の土台と木の柱を建てる、と。

最初はおそるおそる触っていたインパクトドライバーや丸鋸などの道具も次第に慣れてきて。自分専用の腰袋を提げて、週末になるとツナギの作業着で優美堂へ通ってました。

2021年7月に東京ビエンナーレが始まると、優美堂も一般公開。デッドストックの額縁を利用した『千の窓展』という展示では、絵を描くのはもちろん、東京ビエンナーレに出展している他の作家さんにお声がけをしてちょっとだけ「キュレーター役」的なこともしたり、作品の展示設営を少しお手伝いなどしました。

ギャラリーなどの空間に作品を設営する「インストーラー」という仕事に興味がわいて、優美堂だけでなく3331 Arts Chiyodaでも「小池一子展」や「神田祭」の展示などの設営を少しお手伝いさせていただきました。

で、今回の「東京ビエンナーレ2023 はじまり展」がはじまるにあたって、その設営作業を少しだけ手伝ってきたというわけ。

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この箱型の空間は、セキスイハイムのM1というプレハブユニットを利用しているそうです。
2007年に、「取手アートプロジェクト」で使われたものを今回のために整備している、と。

ちょうど今年、中銀カプセルタワービルの建物が解体されて、いくつかのカプセルが保存・展示のために再生されているのをSNS経由でよく目にしているのですが、それにも似ていて、面白いなと思います。建物が修復と再生を繰り返しながら、いろんな場所で、いろんな目的のために使われるということ。これもまた、ある意味にメタボリズムの新陳代謝なのかもしれないですね。

設営をしていると、日比野克彦さんもいらっしゃいました。寛永寺の庭で設営されている作品を見学をさせてもらって、作品に関するエピソードなどもお伺いしました。とても不思議な体験もされたとのことで、ぜひこれは、実際に日比野さんの作品を観に行って、できれば日比野さんに直接聞いてみてください。

最初はなんとなく面白そうだなと飛び込んでみた優美堂で、そこからいろんな人たちの輪が繋がり、東京ビエンナーレにも広がっていって、さらにこんな風にこの新しい展示のお手伝いもできたのはとても嬉しいです。

この、「東京ビエンナーレ2023 はじまり展」は、10月6日から30日の期間、寛永寺や、東京ドーム、そして優美堂でも開催されます。そして来年はいよいよ、第二回の東京ビエンナーレ。どんな風に関わることができるか、今からとても楽しみです。





by t0maki | 2022-10-05 12:51 | アート | Comments(0)