品川山登り番外編 #1日1記事P

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日曜日に、都内近郊をぐるりと巡り、江戸七富士を全て訪れてきました。同じ企画は以前もやったことがありましたが、今回は交通費1,000円いないで。東京メトロの24時間乗り放題券を活用しつつ、それだけでは行けない場所へはJRか徒歩かで乗り切りつつ。リアルRPGみたいな感じで、面白かったですよ。

江戸七富士めぐりの振り返り

江戸七富士とは、以下の7つの富士塚のことを指します。

小野照崎神社「下谷坂本富士」〒110-0004 東京都台東区下谷2丁目13−14
茅原浅間神社「江古田富士」〒176-0004 東京都練馬区小竹町1丁目59−2
高松富士浅間神社「高松富士」〒171-0042 東京都豊島区高松2丁目9−3
護国寺「音羽富士」〒112-0012 東京都文京区大塚5丁目40−1
十条冨士神社「十条富士」〒114-0032 東京都北区中十条2丁目14−1
鳩森八幡神社「千駄ヶ谷富士」〒151-0051 東京都渋谷区千駄ケ谷1丁目1−24
品川神社「品川富士」〒140-0001 東京都品川区北品川3丁目7−15

都内近郊には50~80にものぼる富士塚があると言われています。江戸時代頃に「富士講」という富士山を主祭神とする民間信仰が流行して、みんなこぞって各地にミニチュアの富士山を建造したのでした。江戸時代は自由に旅行ができない時代でしたので、富士講に所属して富士山にお参りにいくことが憧れだったということです。富士山から黒ボク石と呼ばれる溶岩石を運び、富士塚建造に使われました。

今回は、この7つの富士塚を巡りつつ、さらに二つの富士塚を追加し、さらに道すがらに低山散歩も楽しみました。私は趣味で、「アーバンアルピニスト」を名乗り、登らずに登れる都会の山々を巡るのを趣味としています。

今回立ち寄ったのは、2020年に私が開催した「品川山巡り」のコースでもある登らずに巡れる山々と、それも含む「城南五山」の一部です。

以前その街歩き企画を行った時は、品川の鯨塚の近くにあるコワーキングスペース「レイテラス」に集合して座学をした後、八ツ山、御殿山、権現山と、品川富士を巡りました。
品川富士は、江戸七富士のひとつ。そして、八ツ山と御殿山(権現山)は城南五山の一部です。

城南五山は、東京の城南エリアにある5つの山々のこと。山と言っても、地図上では正式な山ではなく、どちらかというと高台を山という愛称で呼んでいるというような場所です。品川駅から目黒駅にかけてのエリアに点在しています。

今回は、八ツ山、御殿山、そして花房山を巡りました。あと二つ、島津山と池田山を加えた5つが、城南五山です。

以前も、目黒駅から品川に向かって、城南五山巡りをしたことがあります。その時は、確か3つ訪れたタイミングで「高輪ゲートウェイに築堤が発見されたよ」というニュースを知人から教えてもらったので、急遽コースを変更してそちらへ向かったのでした。というわけで、そういえば城南五山を最初から最後まで一気に巡ったことはまだないので、今度それにもチャレンジしてみようと思います。富士塚と違って、城南五山巡りは「頂上」が分かりづらいので、コースを決めにくいんですよね。「なんとなくこの周辺が山っぽいなー」っていう場所が多いので。池田山は公園になっているので「あ、この場所だな」というのが分かりやすいのですが、花房山は「花房通り」という道はあるのですが、山の場所はふわっとしていて。なんとなーくそれっぽいエリアを歩いて巡るという感じで。まぁ、それはそれで面白いですけど。目的地の周辺にある不思議スポットを偶然見つけたりもできるので。

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品川の街歩き。ご存じの通り、品川駅は複数の路線が乗り入れる大きなターミナル駅。周辺もビルが立ち並ぶ都会の雰囲気ですが、昔ながらの「山」のエリアも残っています。

八ツ山

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八ツ山は、城南五山のひとつ。山と言っても、みんなが想像する登山ができるような山ではなく、高台という意味です。このエリアの土は、江戸の末期に黒船対策として「台場」という砲台を設置するための人口島を建設するために使われました。今の、お台場の名前の由来にもなっている人工の島ですね。

さらに、高輪ゲートウェイの周辺開発で発見された「高輪築堤」という、海の上を鉄道が走るための堤を建設した時も、台場をつくった人たちと、このエリアの土が使われたとのことです。

ちなみに、八ツ山は、映画の中で初代ゴジラが上陸した場所としても知られています。

御殿山


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御殿山は、もともとは徳川家の鷹狩りの休息所として利用されていた場所。お茶会が開かれたり、桜の名所としても有名でした。こちらも、台場建設のために削られましたが、現在はその跡地に水辺のある庭園がつくられています。この日は、ちょうどここを通りがかった時にカワセミを見かけました!品川でカワセミが見られるとは。

権現山

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権現山公園は、もともとは御殿山の一部として繋がっていたのですが、鉄道敷設のために真ん中が削られて断絶されたため、こちら側のエリアが権現山と呼ばれるようになり、現在はこの公園が残っているということのようです。御殿山が徳川家の御用地であったため、こちらの山も徳川家康を意味する「権現」という名が冠された、と。すぐわきの線路を新幹線が通っていきます。線路に区切られた三角地を見下ろすと、沢庵和尚や賀茂真淵のお墓がある東海寺が見えます。


花房山


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花房山は、目黒駅近くにある高台のエリアです。旧・播磨三日月藩森家上屋敷があったエリア。昔から、高台の山には御殿やお屋敷が建つことが多かったようで。山手線の由来でもある「山の手」も、「山の方」という意味。現在でも山の手エリアは家賃が高く、高級住宅地などもありますよね。昔から、高台はお金持ちが住む場所だったようで。

この花房山エリアには、希望ケ丘公園という、ちょっと変わった公園があります。細い坂道を登り切った突き当りのエリアに、斜面を平らにしてつくられています。石段があるので登ってみると、上には特になにもなく、ただ見晴らしがよいだけ、という。公園自体は普通なのですけど、なんとなくこの立地とか雰囲気が独特で、ちょっと不思議な公園なのです。

とまぁ、そんな感じで寄り道もしつつ。品川から目黒まで歩きました。
いつかまた今度は、城南五山を全部巡る散歩もしてみようと思います。




by t0maki | 2022-09-13 11:04 | ライフスタイル>アーバンアルピニスト | Comments(0)