竣工90年を迎える奥野ビル
2022年 07月 30日

中銀カプセルタワービルに住んでいた頃、銀座八丁目から銀座一丁目をぐるりと巡る、「銀座の建築巡りツアー」を友人たちを誘って開催したことがあります。黒川紀章さんや丹下健三さんの建築を巡る中で、この奥野ビルもそのコースに加えました。昭和の香りが色濃く残る、歴史的な建物。
ちょうど真ん中を境に、左右対称のつくりになっています。本館は1932年、そして新館は1934年に建てられたものです。廊下を歩くと、配管やケーブル類が乱雑に露出しています。よく見ると、それぞれの部屋のドアのデザインが全く違う。入居したテナントの人たちがそれぞれドアを変えていったそうです。
珍しい、手動扉のエレベーターもあります。鉄柵と、その奥の扉を手で空けてエレベーターに乗り込みます。出るときも、忘れずに扉を閉めなければいけません。慣れない人は、降りるときに扉を閉めるのを忘れます。すると、エレベーターが動かずに、警告のブザーが鳴り響きます。その音を聞くと、近くにいる人が閉めに行きます。私も、奥野ビルの作品展で在廊している時など、何度も警告音が鳴るたびにこのエレベーターの扉を閉めに行きました。
ある時期、ここのビルによく通っていました。自分にとって、思い出深い建物です。







by t0maki
| 2022-07-30 11:58
| ライフスタイル>旅・散歩
|
Comments(0)