
21時ちょっと前、オフィスを出てそのまま地下までエレベーターで降り、改札まで向かったがなんとなく素通り。いったん地上に出て、六本木にでも行こうかと思ったが、やっぱり思い直してまた地下に降り、とりあえず目の前にやってきた地下鉄に乗った。家とは逆の方向に。
疲れすぎて、思考がフワフワしている。さっき、トイレで用を足してたら、目の前の壁にある小さな傷がウネウネと動いていた。傷が動いているのではなく、視界がブレているのだが。
集中しすぎると、たまにこういうことになる。脳みそがすっかりくたびれてしまい、認識力がどんどん落ちてくる。そうすると、すれ違う人たちがみんな知り合いのように見え、歩いていると感覚と認知に時差が生じて軽く魂が浮遊したようになる。フワフワ、フワフワ。
人間の限界など、割と簡単に超えられる。それは、限界というものはひとつではないから。集中力の限界。体力の限界。身体の限界だって、部位ごとに存在するだろうし。足の裏にマメができたら、それはその部分の皮膚が限界を超えたということでしょ。ホラ、カンタン。
というわけで、今夜僕はなにがしかの限界を超えて、フワフワユラユラグラグラしながら、大きなカーブを描きつつ、ゆったりまったりと家に帰ろうとしている。
まぁそのうち着くでしょう。