
大学の後輩にモデルになってもらって、白黒のフイルムで写真を撮りました。大学卒業直後だから、1998年。今から24年前のこと。
で、その写真をAIの技術でリタッチと着色をしたのがこれ。普通に画像編集をしたら何時間もかかりそうな作業が、あっという間。テクノロジーの進歩はすごいね。

で、この写真をもとに、版画作品を制作。インクを溶かして、プレス機を使って和紙に転写するという手法です。在学中、よくこのやり方で作品を作ってました。

名刺サイズの小さな作品。これを100円ショップで購入した額に入れます。

北千住にあるBUoY caféというアートギャラリーが併設されたカフェで、滞在制作をしながら展示を行ってます。下の写真の手前にあるのが、実際に使っている小さな卓上プレス機。ドイツのクリエイターさんたちが開発したもので、クラウドファンディングでゲットしました。

というわけで、この2週間で作品を90個ほどつくりました。だいたいほぼ一点もの。白黒写真をAIで加工したもののほか、中銀カプセルタワービルの写真や、チェコで撮影した写真なども版画にして、作品にしています。

で、これをひとつ500円で売ります。

この日は、友人のアーヤさんが遊びに来てくれました。

で、この500円が、次の人のコーヒー代になるという企画。『恩送りアートカフェ』という、アートプロジェクトをやってます。
このカフェで滞在制作をさせてもらえるということで、私が考えた企画です。
「恩送りカフェ」というのは、わりと知られている手法で、海外などでも事例があります。無印良品さんが銀座でやってたりもしてたので、ご存知の方もいると思います。
アイデア自体は新しくはないですが、そこにアートを絡めてみたという形。

恩送りのプロジェクトですので、コーヒーを奢られた人は、また次の人へ恩を送ってください。そうして、池に石が投げ込まれた時の波紋のように、みんなの善意が広がっていけば良いな、という。そんなプロジェクトです。
いくら作品をつくって売っても、私自身にはお金が入ってきません。むしろ、売れば売るほど赤字なのですが。今回、私が受けている一番の恩は、この場所で作品展示をさせてもらえること。なので、そのご恩をカフェに還元しているというわけ。これもまた、恩送り。

6月25日まで、基本的に私が在廊中の週末に作品を販売しています。次回の開催予定は、6月18日(土)です。