天馬船を流す

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東京ビエンナーレの「天馬船プロジェクト」に関する記事をいくつかブログに書いたけど、そういえば肝心の当日本番についての記事をまだ書いてなかった。というわけで、あらためて。

9月5日の東京ビエンナーレ最終日、神田川に1万艘の小舟を流す、天馬船プロジェクトのフィナーレが行われました。
このプロジェクトに関しては、東京ビエンナーレのボランティアとして、かつ中村政人さんと一緒に優美堂をリノベーションした「ユウビスト」チームとして、いろんな形でかかわりました。

天馬船の木製の小舟に柿渋を塗ったり、メッセージが書かれた旗を貼ったり、街歩きの企画で紹介したり、もちろん自分自身もドネーションをしました。そして、当日も屋形船から天馬船を流すというボランティアをしていました。

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貸し切りの屋形船。窓からこの日のために造った樋を設置して、屋形船を放流します。

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船の中には、1万艘の天馬船。1艘千円でドネーションを受け付けたところ、約6千5百艘の応募がありました。これらの船は、オリジナルのメッセージがついています。残り3千5百艘は、ドネーションなしの船。合計1万艘です。

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ドネーションがあった船には、専用のタグがつけられています。このタグで、ゴールまでのタイムを計測します。

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樋から手動で流していきます。窓の縁につけられたタグリーダーで、船を流した時刻を計測。タイムレースです。

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屋形船は、神田川を遡上して、聖橋へ。ここで、樋を設置して、一万艘の伝馬船を流していくのです。

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神田川に放流された伝馬船。大潮の満潮から干潮までの潮が引く時間帯を選んでいます。

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神田川の聖橋から、万世橋まで。距離にして600メートル弱の距離を一番早くゴールしたのは、33分20秒でした。
順位のリストに掲載されていた伝馬船は、2時間以内にゴールした5474位までなので、ゴールできなかった船も結構あるようですね。
ちなみに、私の船はゴールした船のリストには入っていませんでした。
中途半端な順位でがっかりするよりも、リストにないほうが嬉しいかも。もしかしたら、まだどこかに漂ってるかも、なんていう空想ができるので。

1万艘の伝馬船を流すのに費やした時間は、約45分。流す人、手渡す人、そして箱を運搬する人など、各自役割分担をして、伝馬船の中では20人くらいの人が作業をしていたと思います。僕は、伝馬船が入った木箱を運搬する係。木製の箱の中に、だいたい40艘前後の船が収納されていて、結構な重さです。感覚的に、15kgくらいかな。これを休みなくずっと運ぶので、あっというまに汗だく。汗の粒が目に入ってきて、それをぬぐいながら作業をしてました。

全部流し終わったら、しばし屋形船の中でのんびりと待機。ゴールの時間が過ぎた後に、別の船に乗り換えて万世橋下流の桟橋に戻りました。
この日は、パラリンピックのマラソンがあった日。朝の6時集合で、10時過ぎくらいまで作業をしてました。楽しかったですよ。

貸し切りの屋形船で、神田川で揺られて。

前にもブログに書きましたけど、僕が「船舶免許を取るぞ!」と決意したのが、万世橋の上だったのですね。この神田川を船で行き来できるのは素晴らしいだろうな、と。その夢がかなって、実際にレンタル艇で神田川をクルージングできたのはうれしかったです。そして今回、こうして屋形船で神田川を航行し、天馬船のプロジェクトに関わることができたのも、なにかの縁。

次回の天馬船プロジェクトは、2年後に開催されると聞いています。楽しみです。

by t0maki | 2021-10-03 16:15 | アート | Comments(0)