ここまで来るともう笑うしかない

なんだろう。ずっと悪い夢を見ているような、そんな3日間。しかも、この悪夢はまだ終わっていない。

東京から、ブカレスト、ロンドン、アルゼンチン、スペインとの時差を行ったり来たりしながら、荒波の中で筏を漕いでいるような感覚。あるいは、アクセルを全開にふかしながら前に進もうとしているんだけど、同時に誰かがブレーキを踏んでタイヤをロックして、その度に不安定な体制で9時間待たされる、と。

その間ずっと、書斎のデスクの下に寝袋を置いて、隙間時間に仮眠をとる生活。神経が昂っているので、うまく眠れない。目が覚めると、緊急ミーティングに呼び出される。

世の中が未曾有の伝染病拡大で混乱を極めている中、僕らはずっとこの終わりの見えない作業に明け暮れている。

なんだろうね。この仕事を20年くらいやっているけど、こんなことは初めてですよ。参加メンバーからもどんどん落伍者が出てきて、開発の主要メンバーがどんどん辞めていく中、残された僕らはそれでも航海を続けなければならない。

なんだろうね。まるで、呪われてでもいるような。ここまでくると、むしろ楽しく感じてくるというか。なんか、笑ってしまう。道が二つに分かれていると、「そっちにはいくなよ」という方に必ず行ってしまう。それは、コントロールできない。

というわけで、束の間の休息。目が覚めたとき、今が何時なのか全くわからなかったかが、もう昼の時間はとっくに過ぎてる。今、デスクの下の寝袋に寝っ転がったまま、これを書いている。