たまに、遊びに行くんですけどね。屋上から、東京駅がよく見えるので。
この建物の中に、JPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」っていう博物館があります。ここも、東京駅周りの散歩コースのひとつ。東京大学が所有する学術標本が見られます。
で、この時の企画展が「泥絵」ということでね。すごくおもしろかった。
要は、江戸のお土産として売られていた、量産の絵画作品。
今でいう、観光土産の絵葉書のようなもの。江戸に行った記念に、買って帰るというような性質のもので、芸術的価値は低いけれど、文化的な意味があるもの。
こういうの、面白いですね。江戸の人たちが、どんな風に景色を見ていたかとか。どんな絵が大衆に好まれていたか、とか。この、青い絵の具の使い方と、ラメの入れ方とか。豪華に見せようとして逆に安っぽい、っていう。
富士山の絵とかね。あの、北斎に代表されるような江戸の浮世絵師の描く芸術作品とは一線を画しつつ、ただ大いに影響を受けつつ、でもスキルが伴わないから子供の絵のようにも見えてしまう。でも、だからこそ、親しみがわく。気軽に、部屋の壁に貼って、江戸の旅を思い返したり、来客に旅の話をするきっかけにしたり。
泥絵、面白いな。