『ノーカントリー』を観たのは二度目。途中からネタバレあり

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『ノーカントリー(No Country for Old Men)』を観たの、二回目だと思うんだけど。やっぱりなんか、背筋がゾクッとする映画ですよね。
賞を取ったりとか、すごく評価の高い映画ですが、ストーリーはなんというか、振り子が大きく揺れているのをずっと眺めていて、途中でボトッと落ちたような。
例えるなら、リュック・ベッソンの映画とは真逆のところにあるような。って、分かります?

コーエン兄弟らしいな、と。世界観とか、語り方とか。焦点をあてておいて、途中でちょっとずらしたり、ぼかしたり。
ストーリーの流れが自然で、綺麗なんですよね。壁に当たって、跳ね返る感じの。こっちに当たったから、向こうに行くっていう。作用反作用がしっかりしているから、どんどん物語に引き込まれていく。そのリアリティがすごい。

スパイ映画でみんながゲットしようとする、例えば機密情報のマイクロチップとかあるでしょ。あれのことをマクガフィン(McGuffin)って言うんだけど、この映画の場合それが「大金が入ったアタッシュケース」なわけですね。で、それを中心に物語が進んでいくんだけど……。

以下、ネタバレありだから、読みたくない人はここで閉じてね。




もう閉じた?




じゃ、続き書くね。

で、そのMcGuffinの大金。あれ、途中で消えたよね。
いや、あのサイコパスの殺し屋「シガー」が手に入れたのは分かるんですよ。それが、通常の流れだから。
でも、それが出てこない。むしろ、反対側の表現になっていて。「あれ?」ってなるんですよね。

メキシコのギャングたちは手に入れてない。
ピックアップトラックに飛び乗って逃走している時に、持ってないもの。

通気口に隠している可能性が高いのは分かるけど、実際の最後のホテルの通気口の中にはアタッシュケースが入る隙間が無かった。
それでも、そこをコインで開けた痕跡があって、それは確実にシガーの仕業。

もう一つ混乱するのは、保安官のエドがそのクライムシーンのホテルに入るとき、シガーが窓の向こうに潜んでる画が挟まれてたよね。
でも、実際に開けたら、そこにはいなかった。隠れるような隙間もなかったしね。

というのがありつつ。ここは、それ以上詮索せずに、ありのまま楽しめば良いんだろうな、と。
よくある、ムービートリック。一見つじつまが合わない、矛盾しているシーンを入れて、観ている人を混乱させる演出とか。
デビット・リンチ監督とかよくやるやつ。

コイントスを拒否して、その後どうなったかは書かれてないけど、出る時に靴の裏に血が付いてないか気にしているので、これは明らかに殺されてる。
で、その後唐突に車に激突されるのも、シガーが自分のジンクスを破ったせいなんだよね。コイントスを拒否した人間を殺してしまったから、降ってわいたような災難に見舞われた、と。

神の意志、みたいなものが見え隠れしていて。人間とは?この世の悪は消えないのか?なんてことを否が応でも考えさせられる。

面白い映画でしたよ。そして、シガー役のハビエル・バルデムさん、はまり役。すごい強烈なキャラクターですよね。
ウディ・ハレルソンも、良い役。

まぁ、何と言ってもあのトミー・リー・ジョーンズさんの憂いを含んだ表情と演技が良いよね。

良い映画です。

by t0maki | 2020-06-18 23:45 | ライフスタイル>映画・書籍 | Comments(0)

書くこと、つくることが好き。旅をしながら写真を撮ったり、製品レビューをしたり、思いつきでいろんなところに飛び込んでみたりします。英語と走ることが得意。