贋作を美術館に紛れ込ませるマーク・ランディスさんがカッコイイ

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アマゾンのprime videoで、『美術館を手玉にとった男(Art and Craft)』を観た。
30年以上も、自分が描いた有名画家の「贋作」をアメリカ各地の美術館に寄付し続けた、マーク・ランディスというアーティストのドキュメンタリー。

面白い人だなぁ。まるで、映画やマンガみたいな、本当の話。
全米20州の計46の美術館に100以上の作品を寄付し続けたってのもそうだし、その過程で神父のフリをしたりとか。やってることは完全に詐欺なんだけど、ただ一点、お金をもらってないことから、犯罪が成立していないっていう。

その、行動自体が「アートだな」とおもうわけです。しかも、美術館の仕組みをうまくハックして、手玉にとってる感じがすごく面白い。近所の趣味の画材屋さんとか、安い額縁を買ってきて、コーヒーで染みをつけて、とか。手に入れられる道具を使って、飄々と贋作をつくってしまう。学生時代に、絵画の修復を学んだということで、そういうスキルも生かされてるんでしょうね。にしても、なぜ「寄付」なのか。お金儲けのためでなく。

でもなんか、分かるなぁ、と。面白そうだもの。その活動が。

作品をつくること自体が楽しいんだよね。そして、それを美術館に紛れ込ませるのは、とても愉快だ。
頼まれていないのに、そしてお金にもならないけど、贋作を生み出し続けるの、すごいよな。

反対に、マークの悪事を告発しようとしてやっきになってる美術館員のなんとかっていう人は、なんかかっこわるいな、と思う。「自分は正義だ!」みたいな態度で、悪い奴をやっつけてやる、みたいな態度がかえって嫌な感じ。才能もなく、何も生み出すこともせず、邪魔くさい、って感じてしまう。いや、その美術館職員のことを僕は知らないから、あくまでドキュメンタリーを観た感想だけどね。いかにも、小物って感じで。美術館もクビになってるし。

作品を観終わった後、現在のマークさんが何をしているのかなと思ったら、今は贋作をつくらずに、コミッションの絵を描いていらっしゃるようで。ウェブサイトから、「日本にも発送は可能ですか?」って質問をしたら、なんとマークさん(少なくとも署名はご本人になってた)から、「日本にも発送できますよ」っていう返事をいただいた。「最近、こんな日本人の絵も描きましたよ」っていうサンプルも添付されてた。

マークさんに、絵を描いてもらいたい人は、サイトを探してみてください。



by t0maki | 2020-06-03 23:30 | アート | Comments(0)

書くこと、つくることが好き。旅をしながら写真を撮ったり、製品レビューをしたり、思いつきでいろんなところに飛び込んでみたりします。英語と走ることが得意。