肺が壊れて入院した、小学生の頃

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 僕は、肺がちょっと弱い。
 
 小学生の頃、肺が壊れてしまったことがあってね。ある晩突然、息ができなくなった。
 チーン、「呼吸、終了」みたいな感じで。
 
 要は、肺のどっかが破けて、胸の中が空気でいっぱいになり、ちっとも空気が吸えない状態になってしまったんだ。いくら頑張って横隔膜を広げてみても、しなしなになった肺にはちょびっとしか空気が入ってこない。肺の周りに、空気がみんな漏れちゃってるから。
 
 それでも、必死に空気を吸おうとしていたボク。水槽から落っこちて、床の上で口をパクパクさせながらもがく、金魚のようにね。
 
 「死って、こんなに身近にあるんだ」って、びっくりしたよ。
 一生懸命、なんとか息を吸おうと努力をしていたんだけど、その努力を止めた瞬間に僕は死ぬ。あまりにもあっけない終わり方。そこで息を吸うのを諦めていたら、ボクは小学六年生でその生涯を終えていたってこと。
 
 一晩、なんとか頑張ってしぼんだ肺で呼吸を続け、翌朝病院に行って即入院。肺から漏れた空気が皮膚の下にも入り込んできて、首や顔がむくんで、指で押すとグジュグジュ音がする状態だったけど、なんとか肺の穴も塞がり、一週間で退院することができた。
 
 お医者さんに、「つらかったね、がんばったね」って言われた瞬間、なぜか自然に涙が出た。
 
 その後も普通に水泳や剣道などの運動は続けたし、高校で陸上部短距離をやったり、今でもわりと運動はする方。普段は、肺のことは気にしてないけど。それでもやっぱり、時々調子が悪くなることもある。ハウスダスト系のアレルギーで、ホコリやカビなどを吸い込むと、とたんにゼーゼー息が苦しくなるんだ。
 
 今、新型コロナウイルスが猛威を振るってる。やっぱりね、怖いですよ。
 若ければ、り患しても治る確率が高いと思うけど。そろそろ良い年齢ですし、もともと肺が弱いので。もし、ウイルスが入ってきたら。あの、自力で呼吸ができない恐怖は、もう味わいたくない。
 
 そんなわけで、もし新型コロナにかかってしまったら、たぶん確実に他人より重症化する可能性は高いわけで。気を付けないとなぁと思うものの。今のところできることって、「なるべく自宅の中にいる」とか、「周りの人と距離をとる」くらいしかなくって。
 
 志村けんさんがあんなにあっけなく逝ってしまわれたのを目の当たりにすると、本当に怖い病気だなぁと思うわけです。
 
 もう、未曽有の事態のただなかにいるわけで。どっちにしてもかなり甚大な被害は免れないのは確実。いかに経済的なダメージを最小限に食い止めつつ、ウイルスもなんとか抑え込みましょうって努力するのは分かる。でも、足の引っ張り合いはやめてね。まずは、なんとしてでもこの危機を乗り越えること。なるべく多くの、身近にいる大切な人の命を救うこと。それだけに集中して欲しい。知識と、労力をそこに集中させて欲しいな。
 
 「自分ができることって、なんだろう?」って考えて、行動に移すこと。
 この場合、ウイルスを拡散させないために、「うちで過ごす」とか「他人と距離を置く」とか、「換気する」、「手洗いする」、「デマを広めない」、「不要な買占めはしない」など。じっとしているのも、アクションのひとつなんだよ。
 
 人間って、これまでもいろんな危機を乗り越えてきてるからね。きっと今回も大丈夫。すぐにはもとの状態に戻らないかもしれないけど、時間をかけて、少しずつ回復していくと思うよ。
 
 がんばりましょう。

by t0maki | 2020-04-01 17:45 | Comments(0)