贈り物って?『贈与論』読書メモ

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 先日、キッズ向けのワークショップが終わった後、スタッフ同士で軽く打ち上げをやったのですよ。その時に、話題の流れがこの本のことに。
 
 マルセル・モースというフランスの社会学者/民族学者が書いた『贈与論』という本。そのタイトルどおり、贈り物や、贈与交換の仕組みについて書かれた本。
 
 僕は以前、「フリーフリーマーケット」という、お金の要らないフリーマーケットという企画をやったことがあります。家にある使わなくなったものを持ち寄って、物々交換をしよう、というプロジェクト。クロネコヤマトの「宅急便コンパクト」を使って、遠隔の人も参加できるようにしました。で、いろんな商品が集まったので、渋谷のイベントスペースに持ち込んで、その場で物々交換。遠隔から宅急便で参加した方には、会場に集まった品々を箱に詰めて、返送しました。そんな企画。
 
 贈り物とは?あるいは、贈与交換とは?
 
 文化的に考えてみると?
 あるいは経済的に。
 もしくは、宗教や自然の恵みなど。
 価値を受け取って、そのお返しをする。
 お金だけじゃない。
 
 贈り物について、この本を読みながら考えた。
 
 以下、読書ノート。
 
 * * * 
 

▼読む前に考えた、贈与の形
 →おもてなし
 →先輩が後輩におごる
 →バレンタインデーのお返しをする
 →田舎でおすそ分けのお返しをする
 →お歳暮やお中元のお返しをする
 →年賀状の返事を書く
 豪快におごる人がどうなるか?その場では感謝され、一時的には人気者になる。ただし、それにたかる人も出てくる。その人にというより、お金に近づく取り巻き。
 
 田舎で、よくおすそ分けをする。畑でとれたもの。家で作った料理。「これ、多く作っちゃったんで、よければどうぞ」
 ただし、これはあらかじめ、配るために最初から多めにつくっている。おすそ分けをしたら、当然お返しをしなければならない。これを怠ると、「あの人は、お返しもないのよ」と陰口をたたかれる。田舎の慣習によくあるが、田舎に限らない。
 
 返礼のルール。バレンタインデーもね。もらった以上のものを返すのがマナー、なんていうことも。
 
 手紙をもらったら、返事を書く。年賀状をもらったら、同じ用に相手にも書く。挨拶をしてもらったら、挨拶を返すのと同じ。
 
▼経済の中で無意識にやっているもの
 →借金をして利子をつけて返す
 (→分割払い)
 →賄賂
 →献上品
 →上納金、ショバ代
 →手数料、ピンハネ
 →サービスに対する対価
 
▼神や自然とのやりとり1
 →大地からの贈り物
 ┗野菜や果物
 →自然からの贈り物
 ┗狩猟、釣り・漁、気候、水
 →天からの授かり物
 ┗子供
 自然から、あるいは天からの恵みを享受するということ。あたりまえに思っていることを感謝する。幸運に気づき、返礼をする。
 
▼神や自然とのやりとり2
 →生贄
 →銅製品を海に捨てる
 →首長の家に火をつける
 →お供えもの
 →神社や富士塚を建立する
 こうして考えると、「祭り」はただただ騒ぎたいだけの浪費ではなく、与えてくれたものに対する返礼なのだな。
 でも今は、与えてもらっている意識が低いまま、ただフェスのように騒ぎたいだけ?
 
▼宗教や道徳
 →施し
 →お布施
 →お賽銭
 
▼資本主義的な(利己主義)
 →クーポン
 →バーゲン(ハンティング)
  →得である→お返しはない?
 自分だけが得しよう。他人から効率よく富を自分の手元に集中させるのが資本主義の目的。利己主義。際限なく必要以上に他人から奪う。それを自分のために浪費する。

  
「ポトラッチ」potlatch
https://ja.wikipedia.org/wiki/ポトラッチ
 
 
 * * * 
 
 最初の150ページくらい読んだところ。
 と言っても、僕の読書っていつものように、活字を目で追いつつ、頭の中でまるっきり違うことを考えてたり。途中で脱線して、ネットで言葉を追いかけて行ったり。
 
 本の中身を理解するためというより、そこにあるものを触媒にして考えを整理して、新しい知識を身につけるために本を読みます。なので、読書ノートもほとんどが本の内容に関係のないこと。
 
 シンプルでわかりやすい本だと、その内容がすんなり入ってきてしまって学びが少ない。なので、今回のこの本のように、本文より注釈の方が多いくらい難解で複雑な本で、しかもフランス人の社会学者の文章を翻訳している、みたいな本の方が、読んでいてブレイクスルー的な思考の飛躍をゲットできたりもする。それが、読書の面白いところ。
 
 というわけで、いったん読書はここまでにしておこう。
 


by t0maki | 2020-03-28 10:50 | ライフスタイル>映画・書籍 | Comments(0)