『人間失格』の思い出

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この夏、実家に帰った時に本棚を漁ってたら、この太宰治の『人間失格』を見つけたので、帰りの電車で読もうと思って、持って帰ってきた。

途中まで読んだんだけど、なんかやっぱりモヤっとするので、最後まで読んでない。

中学の国語の先生がね、「落ち込んだ時はこの本を読みなさい。さらに落ち込んでどん底になるから、あとは上るだけ」って、言ったので。本当に落ち込んだ時まで、読まずにとっておいたんだ。

で、その後ずっと経ってから、アメリカで大学に通ってた頃、卒業後の進路が全く見えなくて、「あ、そろそろどんぞこかな」と思ったんで、この本を読んでみた。

すると、この本の主人公にまったく共感できないどころか、なにを下らないことで悩んでるんだ、と。こっちの悩みの方がもっと救いがないぞ、と思って、全然役に立たなかった。

落ち込んむ理由にも、いろいろあるってことだ。どん底の、さらに下の方に入り込んでしまうと、人の悩みがちっとも共感できなくなる。

現実の悲劇は、もっと捉え難くて救いようがない、悲しいものだよ。

by t0maki | 2019-10-03 22:38 | ライフスタイル>映画・書籍 | Comments(0)