ヤスリをかけていると学生時代の彫刻の課題を思い出すのです

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先日の、ハンコのワークショップの時もそうだけど、最近やすりをかける機会が何度かあって、その度に学生時代の彫刻の課題を思い出すんだよね。そんな話を。

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前回は、80人の参加者を対象に、Tシャツにスタンプを捺すっていうワークショップ。飲料メーカーのイベントで、僕はスタンプの制作と当日の講師を担当しました。で、その80人分のスタンプを作った時に、ひたすら台座の部分をヤスリで磨く作業をしました。

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で、今回はこの飯盒。買ったばかりの飯盒の「バリ」を取るという。カットしたままになってる、ザラついた縁の部分を、ヤスリで滑らかにする作業。

どちらの作業も、軽く角を丸めるだけだから、全然大したことはない。学生時代のあの課題に比べたら。

大学で僕はアートを専攻していました。アメリカの、砂漠の真ん中にある学校で。

で、その時に受講した彫刻のクラスの課題の一つが、「卵よりも卵型をしたオブジェをつくる」というもの。牛乳パックに石膏を流し込んで、それをひたすら削って卵の形をつくる、と。ただし、卵よりも完璧な卵型じゃなければならない。もともと四角いブロックのような形から、丸い卵をつくるのですが、これがめちゃめちゃ大変。「よし、これで良いだろう!」と思って先生に提出すると、「ここがまだ出っ張ってる、尖りすぎ、削りすぎ」などと突き返される。

たったひとつの卵を の形をつくるために、すげー時間と手間がかかる。そして、作品はただの卵だから、地味だし。なんかもう、まさに「修行」と行った感じ。

でもね、この経験がその後すごい役に立ってる。これを一度やると、その後の人生でヤスリを使うのがものすごく楽になる。一度、極限までに大変な思いをしてるから、その後の作業がすごく楽。80人分のスタンプも、飯盒のバリを取るのも、まったく苦にならない。あの、卵をつくるかだいにくらべたらね。

いろんな「エクストリーム」を経験しておくと、人生のいろんなことが楽になる。僕は、大学を砂漠の街で過ごしたおかげで、多少の「暑さ」には耐えれるようになりました。あるいは、カナダの極北で、摂氏マイナス36度の世界でオーロラを見るという体験をしてから、多少の寒さはなんともなくなったり。いっぺん、「これでもか!」っていう体験をしておくと、その後の人生が楽になる。どんなに辛い出来事があっても「いやいや、世の中にはもっと辛いことが山ほどある」ってわかってるから、多少のことではへこたれない。

「苦労は買ってでもしろ」って言うけど、まぁ、わざわざ買うほどではないと思うけど、苦労はたくさんしておいた方が良いですよ。ただし、無意味な苦労は時間の無駄だからやめておいた方が良い。誰かに強制されてやる苦労は、むしろ逆効果だからやらなくて良い。自分で「やりたい!」と思う苦労ならとことんやれば良い。と、僕は思います。

人生のどん底にいると思っても、意外とまだまだ落ちるものですよ。落ちるところまで落ちたら、あとはその経験をしっかり抱いて、上に向かって登るだけ。

苦労とか失敗を重ねて、成長していくものだと思うのです。で、次第に苦労を苦労だとも思わなくなる。

ホームレスになりかけながら職探しをするとか、限りなくブラックな会社で働くとか、いろんな経験を経て今の自分がある。無駄なことなんで無いですよ。

チャレンジが楽しくなってくる。

by t0maki | 2019-07-29 07:09 | Comments(0)