諦めないで続けることの意味と価値
2019年 06月 17日

注意: 最後にグロい傷口の写真があるので、苦手な方は見ないでね。
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スタートから11時間ほど歩き続けた頃、50kmあたりの地点で足が動かなくなった。筋肉が引きつって、戻らなくなったのだ。途方に暮れ、リタイヤの電話を入れようか迷っていたら、目の前にマクドナルドが現れた。とにかく座って休憩しようと、店に入った。

そこで僕は、ビックマックを頬張りながら、考えた。
このままあと残り50kmを歩いてゴールにたどり着いたとして、なにか得があるのか?賞金があるわけではないし、せいぜいもらえるのはちょっとした景品くらい。誰かから褒められるわけでもなく、尊敬もされない。むしろ、うちの嫁などは、こんな大会で身を削っている僕に、呆れている。
論理的に考えたら、ここでリタイヤするべきだ。ここでやめる方が、明らかに賢い選択である。
でも、やめたくない。何の得にもならないのは分かってるけど、このままゴールを目指したい。ちょっとした自己満足のため。100km歩ききったということを味わいたいため。ほんの一時の、ささやかな満足感のため、前に進み続ける。
思えば、人生なんてそんなことの連続だ。損得なんて関係なしに、自分で進むと決めたから、進むだけ。その先にあるものが何かなんて、関係ない。チャレンジするかどうかは、自分次第。
ビックマックとポテトを完食し、ドリンクの飲み終えたころには、足の調子は少し回復していた。念入りにマッサージとストレッチをして、老人のようにゆっくりゆっくりと立ち上がり、そしてまた歩きはじめた。
100kmのゴールにたどり着いたのは、そこからさらに14時間ほどたった後。制限時間のわずか30分前だった。

by t0maki
| 2019-06-17 23:29
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