諦めないで続けることの意味と価値

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注意: 最後にグロい傷口の写真があるので、苦手な方は見ないでね。

* * *

15kmあたりで足の裏に水ぶくれができ始め、30kmで両足に広がる。水を抜いて、湿潤絆創膏を貼った上からテーピングで処置をするものの、どんどん広がっていく。流れ出た体液でさらに皮膚がふやけて柔らかくなり、さらに皮が剥がれていく。足の裏が地面に接地するたびに、痛みが脳を貫く。
 
スタートから11時間ほど歩き続けた頃、50kmあたりの地点で足が動かなくなった。筋肉が引きつって、戻らなくなったのだ。途方に暮れ、リタイヤの電話を入れようか迷っていたら、目の前にマクドナルドが現れた。とにかく座って休憩しようと、店に入った。

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店の中は、いたって普通だった。そこになんとも違和感を感じた。自分は、体力の限界と激痛と戦っている。なのに、店内はそんな自分の危機的状況とは全く無関係に、普通過ぎるくらい普通だったのだ。
 
そこで僕は、ビックマックを頬張りながら、考えた。
 
このままあと残り50kmを歩いてゴールにたどり着いたとして、なにか得があるのか?賞金があるわけではないし、せいぜいもらえるのはちょっとした景品くらい。誰かから褒められるわけでもなく、尊敬もされない。むしろ、うちの嫁などは、こんな大会で身を削っている僕に、呆れている。
 
論理的に考えたら、ここでリタイヤするべきだ。ここでやめる方が、明らかに賢い選択である。
 
でも、やめたくない。何の得にもならないのは分かってるけど、このままゴールを目指したい。ちょっとした自己満足のため。100km歩ききったということを味わいたいため。ほんの一時の、ささやかな満足感のため、前に進み続ける。
 
思えば、人生なんてそんなことの連続だ。損得なんて関係なしに、自分で進むと決めたから、進むだけ。その先にあるものが何かなんて、関係ない。チャレンジするかどうかは、自分次第。
 
ビックマックとポテトを完食し、ドリンクの飲み終えたころには、足の調子は少し回復していた。念入りにマッサージとストレッチをして、老人のようにゆっくりゆっくりと立ち上がり、そしてまた歩きはじめた。
 
100kmのゴールにたどり着いたのは、そこからさらに14時間ほどたった後。制限時間のわずか30分前だった。

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by t0maki | 2019-06-17 23:29 | ライフスタイル>スポーツ | Comments(0)

書くこと、つくることが好き。旅をしながら写真を撮ったり、製品レビューをしたり、思いつきでいろんなところに飛び込んでみたりします。英語と走ることが得意。

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