超短編「浦島太郎」のお話、13篇

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『日本の昔話『浦島太郎』をモチーフに、13篇の超短編小説を書きました。ただ、それだけの本です。』
こんな書き出しで始まる、自作の電子書籍をKindleに申請中。

浦島太郎のお話をパロディにしつつ、13篇の短いショートショートを書きました。

販売開始になったら、改めて告知しますね。

作品の一例はこちら。

* * * 

 むかしむかしあるところに、浦島太郎という若い漁師がおったそうな。
 ある日、浦島が海岸を歩いていると、子供たちが刀を振りかざして鬼を襲っているのを見かけました。
 
「これこれ、子供たち。鬼をいじめるのはやめなさい」
と、浦島は止めようとしましたが、子供たちは聞く耳を持ちません。
 刀を振り上げ、ザクザク鬼に切り付けています。
 頭に鉢巻をした子が、
「この泥団子を食って、お前も仲間に入れ」
といってきました。
 浦島はその泥の塊を掴み、思いっきり頬張ったところ、
「わー、気持ち悪い」
といって、子供たちは逃げていきました。
「助けていただき、ありがとうございます」
 血まみれの赤鬼が涙を浮かべて礼をいいました。
 
「お礼に、竜宮城にご案内します」と、浦島の手を引っ張りました。
「いや、そんな。礼にはおよびませんよ」
と、浦島は断ろうとしますが、鬼の手を振りほどくことができません。
 
 そのままズブズブと、海の中に引きずり込まれてしまいました。
 
 とっぴんぱらりのぷー。

* * * 

こういう作品が、全部で13篇収録されています。
99円で、Kindleから販売予定。今、審査待ちです。



by t0maki | 2019-05-24 13:31 | アート>もの書き | Comments(0)