呼吸を止めないこと

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10kg、15kgの本の束をひたすらパレットに乗せる仕事。学生時代、製本会社でアルバイトをしたことがある。

流れ作業、かつ体力が必要な仕事。一日の拘束時間も長い。4時間 × 3セット、プラス1時間半の休憩時間と、往復3時間の通勤時間。長い時は、1週間休まずぶっ続け。

もちろん、そんな仕事は労働基準法にあっという間にひっかかる。だから、派遣会社の日雇い労働者ということになってる。毎日、帰りがけにその日の稼ぎを封筒入りの現金でもらう。家に帰ると、夕飯を食べて寝るだけ。毎日16.5時間の拘束時間があると、プライベートでできることはごく限られる。生きるために必要な、最小限のことだけ。

コツは、「呼吸を止めないこと」。普通は重い荷物を持ち上げる時に、「うん!」という感じで力む。しかしこれをやってしまうと酸素が足りなくなり、あっという間に疲労が蓄積してしまう。

大きく、深い呼吸を続けながら、力まず当たり前のように自然な流れと導線で本の束を配置し続けること。太極拳のようなものだろうか。ある意味、修行のように。

あの呼吸を思い出そう。

by t0maki | 2019-04-25 10:02 | Comments(0)