映画『グリーンブック』はとても丁寧につくられた良い作品でした
2019年 04月 02日
以下、一部ネタバレありで。
脚本がとても良い。人種差別があった頃の実話を元にした、アメリカらしいテーマ。同じ国でも、地域によって黒人に対する差別の度合いが違うっていうのがよく描かれていた。
ミュージシャンとして国民に広く受け入れられている「シャーリー」と、8週間だけツアーの運転手をするイタリア系アメリカ人のトニー。旅をする中で、この二人のやりとりと、その時代の有色人種差別について描かれている。
ブロンクスでは比較的普通に生活できるのに、なぜあえて南部てツアーをしたのか?面白いですよね。
トニーが腕時計を質屋に入れたのをきちんと映画の中で最後にどうなったかを見せたり、店先に落ちてる「翡翠の石」をめぐるあの流れとか。チキンウィングの骨は窓から捨てるけど、ドリンクのゴミはきちんと回収とか。本当にしっかり観客の心を捉えながら描いているな、と。
最後に、あの流れならトニーがシャーリーをクリスマスディナーに呼ぶのはわかる。でも、「いきなり知らない他人が、家族や親戚が集まるパーティに来るのは、他の人が微妙だよなー」と思ってたら、ちゃんとそこらへんも考慮した演出になってて、さらにシャーリーがトニーの手紙を手伝ってたのも奥さんは知ってたあたりとか、「さすがだなー」と。
映画の細部まで作りこまれていて、作品として安心して見ることができる映画です。アカデミー賞を三部門受賞したというのも納得の映画でした。
by t0maki
| 2019-04-02 10:33
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