聖なる丘の夕日と虹、そして朝日

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夜が明ける前にホテルを出てた。目指すのは、「聖なる丘」。

8ヶ月前、初めてチェコを旅した時、初めて訪れたのがこの街、ミクロフだった。オーストリアとの国境の町。南モラヴィア地方の歴史ある街で、世界遺産にもなっているレドニツェとバルティツェの城にもほど近い。

チェコを離れる直前に立ち寄ったこの街で、夕暮れ時に雹が降った。西の空は晴れていて、夕日に照らされたこの丘に、大きな虹がかかった。

その光景は、「美しい」なんて陳腐な言葉では言い表せない。

「あぁ、僕はきっとまた、この街にやって来るな」と思った。

8ヶ月後、僕は再びミクロフにいた。そして、東の空が徐々に明るくなっていくのを感じながら、丘の頂上を目指した。

こんな風にしみじみと日の出を見たのはいつ以来だったろうか。「生きている」という感覚。叫びたいような、泣きたいような、走りたいような。そんな気分。

2017年10月に、二度目のチェコ旅行を終え、2018年1月に僕は「チェコ親善アンバサダー」となった。そして今でも、「チェコの魅力」を周囲の人たちに伝える活動をしているが、僕が本当に見せたいのは、あの丘にかかる虹であり、一人で登った時に見た朝日の光景である。

でもそれは、そこに行ったからといって必ず見られるものではない。

その旅でしか見られないものや、体験できないものがある。旅で出会う人たちは、もう二度と再び会うことはないかもしれない。その中で、なるべくたくさんの感動を味わい、それを記録して伝えたいと思う。

by t0maki | 2019-03-27 00:44 | ライフスタイル>旅 | Comments(0)