眠ることの孤独について

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「眠る」っていうのは、なんと孤独な行為なのだろうと思う。誰かと眠りを共有することはできない。それは自分だけのもの。

隣同士で寝ていたとしても、眠りに落ちた途端、同じ眠りを共有することはできない。隣同士で寝ている人間が、同じ夢を共有することはできないのだ。

孤独だからこそ、人は眠りの中で夢を見るのかもしれない。現実を投影した虚構の世界の中で、孤独から解放される錯覚。

20年以上前、学生時代に仲が良かった友人が夢の中に現れた。もちろん、彼女は当時のまま全然年を取っていない。何を話すというわけでもない。一緒に博物館の展示を眺め、アイスを買おうとしたところで目が覚めた。この懐かしい気持ちを今伝えても、彼女は「なんの話?」と、共感してくれない。夢を見たのは、僕だけだから。

眠りの中で夢を見ている間はいろいろな感情が沸き起こるが、目が覚めるとほとんどの夢の記憶は失われてしまう。

夢というのは、眠りの孤独を補完するものなのかもしれない。

眠るというのは、なんと孤独なことなのだろう。


by t0maki | 2019-02-15 15:12 | Comments(0)