「日曜アーティスト」であるということ

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2002年6月に、右足首の靭帯を修復するための手術をした。ソフトボールの試合中の怪我が直接の原因だが、それよりも前に剣道や陸上、バスケットボールなどでの怪我が累積して、すでに靭帯が伸びきってたのを「良い機会だから」治そうということになった。ちなみに、レントゲンでは骨の一部も欠けていたが「これはだいぶ前から折れてるね。特に痛みが無いのなら、そのままで大丈夫だよ」と言われて、それは今も欠けたまま、直してはいない。

仕事、僕の体を火葬すると、右足首から小さな金属片と、骨のカケラが出てくると思うよ。

手術のために入院した恵比寿の病院では、1週間仕事から解放されてのんびりと過ごすことができた。手術ははじめての経験。局部麻酔なので、意識はある。なにやら手術用の機械で右足をゴリゴリやられてる感覚があり、音も聞こえる。手術を始める時に、「音楽、これで良い?」って訊かれて「あ、これで大丈夫です」って僕が答えたので、なにやら有線放送のJ-POPソングが手術室のBGMになってて、「あぁ、宇多田ヒカルだ。いい曲だな。この音は、ドリルで骨に穴を開けてるのかな」なんてことを考えながら、ベッドで横になってた。

1999年に、5年間のアメリカ生活を終えて日本に帰ってきて、必死に仕事をしてた。なにか、自分の居場所を確立するために、自分の能力を証明し続けなければならないという焦りと使命感。新しいテクノロジーを学びながら、それを形にしていく、ウェブデザイナーとしての仕事は好きだったが、純粋に芸術を学んできた自分にとっては、その水はまだ馴染んでいない。その違和感を払拭するために、ひたすら仕事をした。

そして、1週間の突然の休暇。まさに、降って湧いたような。

恵比寿ガーデンプレイスを見下ろす病院で、右足首から伝わってくる骨と皮と肉とのそれぞれのバラエティ豊かな痛みを感じつつ、「人生とは」みたいなことについて改めて考える機会となった。

その頃から「日曜アーティスト」を名乗るようになり、好き勝手な遊びの創作活動を本気で取り組むようになった。まだ足の痛みが残る9月に屋久島を訪れて旅ログを更新しながら写真を撮り、渋谷の地下道でゲリラ写真展を開催。その後も、元中学校の教室を共同アトリエにして作品を発表したり、日本橋でオフィスを借りて「会社ごっこ」というアート企画をやったり。

tomatoのクリエイター達が講師を務める「esin クリエイティブワークショップ」に参加したことで、つくることに迷いがなくなった。

「ブロガー」として製品レビューを書いたり、旅をしたりしつつ、写真を撮り文章を書いて記事を量産している。

昨年から、テクノロジーとクリエイティビティをテーマにした遊びの勉強会を月に一度のペースで開催している。

子供の頃の、お絵かきや工作の延長に、今の僕の創作活動がある。楽しいから、やりたいからやってるだけ。これをずっと続けられたら良いなと思う。

by t0maki | 2019-02-15 11:26 | アート | Comments(0)

書くこと、つくることが好き。旅をしながら写真を撮ったり、製品レビューをしたり、思いつきでいろんなところに飛び込んでみたりします。英語と走ることが得意。

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