マザーグースを本気で翻訳チャレンジ: ピーター・パイパー編
2019年 01月 20日

英語の詩を文字の意訳ではなく、音やリズムを大事にして日本語に訳してみるチャレンジ企画。
前回は、『ハンプティ・ダンプティ』の和訳をご紹介しました。語尾の音を合わせる、というもの。いわゆる、韻を踏むというやつですね。
そして、今回はマザーグースの童話集より、「ぱ行」の早口言葉でもある、『ピーター・パイパー』の翻訳にチャレンジです。
言葉の意味ではなく、詩のリズムや音を再現しています。
原文に続いて、筆者が訳した日本語訳です。
では、どうそ。
* * *
【原文】
Peter Piper picked a peck of pickled peppers.
A peck of pickled peppers Peter Piper picked.
If Peter Piper picked a peck of pickled peppers,
Where's the peck of pickled peppers that Peter Piper picked?
【和訳】
ピーター・パイパーはピンクのパンをパン屋でパクった。
ピンクのパンをパン屋でパクったのはピーター・パイパーだ。
ピーター・パイパーがピンクのパンをパン屋でパクったら、
ピーター・パイパーがパクパク食べるパンはピンクか?
* * *
原文では、ピーター・パイパーという人物がペッパー(唐辛子)のピクルスを取ったことについて書かれています。それがなぜ、唐辛子のピクルスだったか。作者がこの言葉を選んだのは当然、それが「ぱ行」の音だからです。だから、ここを日本語訳したときに、「唐辛子」って訳してしまうと、音が変わってしまうので正確な翻訳にはなりません。
なので今回は、翻訳の中では「ピンクのパン」にしてみました。どちらも「ぱ行」ですからね。そして、picked(とる)という単語も、「パクった」という表現にしています。また、「パクパク」という食べる擬音も使っています。
原文の詩の言葉の内容にはあまり意味がありません。ただ単に、ぱ行の言葉をひたすら繋げただけの文章なので。ですので、翻訳した日本語もひたすら「ぱ行」で始まることばを繋げてみました。
唐辛子がパンに変わってますが、こちらの方が原文の音に近いですよね。
こんな感じで、英語の詩の音やリズムを崩さないように、その詩の印象をなるべく正確に日本語化して、翻訳していくという遊びのチャレンジ企画。
次回は、「イーアイ イーアイ オー」のリズムも楽しい、マザーグースの『ゆかいな牧場』を翻訳してみたいと思います。
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by t0maki
| 2019-01-20 18:00
| アート>もの書き
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