『ジョン・ワーウィッカー写真集』と、あのクリエイティブワークショップ

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一生の間で心の底から尊敬できる師匠、すなわち「メンター」に出会えるのは、本当に幸運なことだと思う。

僕の場合は、ジョン・ワーウィッカー先生。イギリスのクリエイター集団「tomato」の共同創業者であり、現在はオーストラリアのモナシュ大学でデザイン建築学部の教授を務めている一流のクリエイター。2015年に東京で開催されたクリエイティブワークショップの講師として来日した際、僕はそのワークショップに生徒として受講したのでした。

10日間、毎日山のような課題をこなして、ひたすら創造力を高めるワークショップ。しかも、ワークショップの内容については事前にほとんど情報がなく、分かっていたのはすごい講師陣が来るってことと、10日間仕事を完全に休まなければならないってこと。そして、受講費が30万円かかるってこと。

40過ぎた普通の会社員が、なんでそんな一見場違いなワークショップに参加したのか。その説明をするのはすごく難しいんだけど、「これは絶対に参加すべきだ!」って直感があったんですよ。そのワークショップが開催されるタイミングであったり、場所であったり、そこに関わってる人たちとか、いろんな意味でそのワークショップに参加するのがとても自然で当たり前のことに感じられた。だから、参加した。

こういう直感は、素直に従った方が良い。今までも、アメリカ留学とか、アート学部への転部とか、卒業後の職探しの旅とか、直感に従ったことで良い結果につながった。理屈や打算じゃなくて、本当にやるべきこと、やった方がよいことって、直感的にわかるんだよな。いや、たまに間違えることもあるけど。

この時は、ばっちり正解でした。本当に参加して良かった。
自分自身の何かが劇的に変わったというよりも、自分がやってること、やってきたことを素直に肯定できるようになった。迷いがなくなった。

そんなワークショップで、後にも先にも二度とないような濃厚な時間を過ごしつつ、ジョンさんが「これ、今つくってる途中なんだけど」って、見せてくれたのがこの写真集のデータでした。

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翌年、tomatoの25周年記念展が渋谷の街をジャックする形でPARCOを中心に開催された時、この写真集が発売されました。ジョンさんが、あのワークショップで伝えようとしていたこと。作品を生み出すということ。観察し、理解し、蓄積するということ。そこにある、「リズム」と「行間」など。なにを伝えるのか、どのような手法で?

10日間のワークショップと、そしてその後も、ずっと試行錯誤しつつ。たぶん、正解なんてないんだろうけど、ずっとチャレンジし続けること。追い求めることが大事なんだな、と。

久しぶりに、ジョンさんの写真集を見て、そんなことを考えました。



by t0maki | 2019-01-10 21:09 | アート | Comments(0)

書くこと、つくることが好き。旅をしながら写真を撮ったり、製品レビューをしたり、思いつきでいろんなところに飛び込んでみたりします。英語と走ることが得意。

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