昔話や童話を全部一言でまとめた本を作りました

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昔話って、時々なんか「え?ナニコレ」ってのがあったりするよね。もっともらしい教訓がありそうでなさそうなのとか。

そもそも、勧善懲悪による復讐・報復とかって、物語のひとつのテンプレになってるけど、あれってストーリーのどこを切り取るかによって善悪がガラッと変わったりするのも興味深い。

例えば『さるかに合戦』とか、最後のシーンだけ見たら、蟹が仲間を集めて猿に集団暴行してる凄惨な場面だからね。その前段に、猿による蟹に対する嫌がらせがあるから成り立つわけで。でも、さらにもっと考えると、もしかしたらその嫌がらせ自体が蟹に対する仕返しかもしれないわけで。猿の子供の尻と尻尾を極悪非道な蟹が寄ってたかって切り刻んで、尻尾は切り取られるし、尻は皮膚ごと持ってかれて治ったあとも一生真っ赤なままになった、みたいな裏ストーリーがあったとしたら、さるかに合戦の冒頭に出てくる猿の行為もなっとくできるわけで、とか。

『いなばの白うさぎ』『カチカチ山』『分福茶釜』とか、大人が見たってその残虐シーンは「ひでぇな」って思うし。

薄っぺらい正義感を振り回して、本質を見落とすのは怖いな、と。何が善で、何が悪なのか。善人だって魔がさすこともあるだろうし、その逆も。人間の価値って、なんなんだろうなって思いますよ、あぁ無情。

というわけで、ずっと昔から書いていた『一行童話』というシリーズを電子書籍化して、Kindleで発売しました。古今東西の昔話や童話を、全てひと言で表現してます。ふざけた本なので、軽い気持ちで読んでみてください。36個の物語が収録されてますが、全部が極端に短いので、あっという間に読めます。

下記のリンクからどうぞ。

一行童話


by t0maki | 2018-11-23 10:07 | アート>もの書き | Comments(0)