チェコの国境エリアを自転車で巡る旅

c0060143_08171650.jpg
2017年10月。

チェコとオーストリアの国境付近をガイドと一緒に自転車で走っていた。のどかなワイン畑がどこまでも広がっている。と、突然古びたコンクリートの建物が現れた。

「バンカーだよ」とガイドが英語で教えてくれた。チェコが社会主義国だった頃の軍事施設だ。このあたりの道は、冷戦時代に国境警備の戦車のために整備されたもの。牧歌的な風景に似合わない、禍々しい廃墟のような建物。宮崎駿さんのアニメでしか見たことのないような風景が、現実に目の前に存在している。

「ちょっと寄り道して行こう」とガイドが言った。

c0060143_08174738.jpg

たどり着いたのは、映画プロデューサーが運営するワイナリーだった。そこで作られたワインを飲みながら、チーズを試食。

「ここ、昔はある建物だったんだ。なんの建物だったか分かるかい?」と、ガイドが僕に聞いた。
「昔からワイナリーだったんじゃないの?」
「あの塔がヒントだよ」
「え?ここも軍事基地だったの?」
「そう。冷戦時代、ここは戦車の駐屯基地だったんだよ」と教えてくれた。

すっかりリノベーションされて分からなかったが、そういえばところどころに無骨な軍事施設っぽさが残ってる。全体的にモダンで洗練された雰囲気だったので、全然分からなかった。

「あの塔は、今はここのオーナーが住んでる。この上には、近々レストランができる予定なんだよ」

同じ冷戦時代の軍事施設の遺物でも、こうまで雰囲気が変わるものかと感心した。

チェコがビロード革命によって社会主義体制を放棄したのは、今から約30年ほど前の1989年。今では、チェコとオーストリアはEU加盟国同士、自由に行き来が可能だ。

c0060143_08183625.jpg
昔の国境の上に建てられた建物。旧国境をまたいで、右足はチェコ、左足はオーフトリア、っていうおきまりのをやってみた。
c0060143_08183746.jpg
たまに未舗装の道があったり。自転車のタイヤが取られないように注意しながら進む。

c0060143_08183952.jpg
昔、採掘場だった場所。突然水没したらしい。採掘用の機械も、水中に沈んだままだそうだ。

チェコは、古いものと新しいものが上手に融合している。それはちょうど、江戸の文化を継承しつつ、明治維新に一気に西洋化された日本の文化ともちょっと似ている。だから、遠い中央ヨーロッパの国なのに、なんとなく居心地が良いんだな。

なんてことを考えてたら、またチェコに行きたくなった。


by t0maki | 2018-09-11 08:16 | ライフスタイル>旅 | Comments(0)

書くこと、つくることが好き。旅をしながら写真を撮ったり、製品レビューをしたり、思いつきでいろんなところに飛び込んでみたりします。英語と走ることが得意。


by 前田とまき(TOMAKI)