なんだか最近ヨシダナギさんの追っかけみたくなってますけど

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ヨシダナギさんって、やっぱり型破りで突き抜けてて面白い人だなー、って。中学2年で学校辞めて、グラビアアイドルからイラストレーターになった後、今では有名百貨店などで作品展を行う人気のフォトグラファーですからね。

僕が普段働いているすぐ隣のビルにフォトグラファーのヨシダナギさんが来るっていうので、行ってきました。NHK文化センターの『ヨシダナギ、青山に立つ』っていう講座。会場がNHKってなってますけど、結構テレビでは聞けない話もバンバン出たりもして、すごく良いトークセッションでしたよ。お仕事でマネジメントを担当しているキミノさんとの掛け合いも絶妙で。気づいたら90分予定のトークが45分押しとか。もっともっと聞きたいくらい。
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ヨシダさんは、つい10日前にアマゾンから帰ってきたばかりとのこと。虫に噛まれて大変だったそうで。虫除けに、マタギの人におすすめされた「ヒル下がりのジョニー」が役立ったって。とある業界では人気の虫除けらしいですね。僕も、今度アマゾンに行く機会があったら、携行したいと思います。……いつ?



■ヨシダナギさんがアフリカの少数民族にハマるきっかけ
5歳の頃にテレビを見て「マサイ族になりたい」と思って、10歳になるまでは本気でなれると思っていたそうです。「なれない」と分かってからは、いつか会いに行きたいと思うように。そこから、中二で学校辞めたり、エスパー伊藤さんが所属する事務所にスカウトされてグラビアアイドルになったり、それからイラストレーターになったり、と。「フォトグラファー」になったきっかけは、あの「クレイジージャーニー」っていう一風変わった旅人たちをフィーチャーするテレビ番組がきっかけだったそうですよ。実は、あの番組に一番最初に出演したときは、まだイラストを仕事にしてたそうで。実際に、ヨシダさんが描いたイラストをスライドで見せてもらいましたが、すごく独特の絵を描きますね。キャラクターデザインなどをよくやってたそうですが、みんな夢の中にでてくる登場人物を描いているそうで。釣りをするスイカとか、ザリガニの手を持つ水アレルギーの魚とか。個人的には、もっともっと作品を見てみたい。好きだなー、こういうの。ヨシダさんのイラストに興味を持ったロンドンの企業が、わざわざコンペにヨシダさんをロンドンまで呼んで、いろいろその場でお話したけど、結局デザインは不採用、と。どうやら、先方の企業の担当者が、「こんなぶっとんだイラストを描くのはどんな人なんだ?」ってのを実際に見てみたかったらしい。まぁ、あのイラストを見たら分からなくはない。

で、イラストの仕事で壁にぶち当たったときに、「海外でカルチャーショックを経験したい」っていう動機で、タイやフィリピン、インドなどを訪れるように。最初は記録用に撮っていた写真が、やがて職業になる、と。ヨシダさんの、初期のブログとかも読みましたが、写真も文章もすごくリアリティがあって、でもきっとこれはヨシダさんにしか撮れない写真で、すごく良い。人間を撮るのが上手なんだなぁ、と。

だから、インドのすごい修験者の方も、ヨシダさんに写真を撮らせてくれたんじゃないかな。4歳から修行をしているインドのサドゥ。80年間ずっと撮影を断ってきた修験者の大ボスみたいな存在の人が、ヨシダさんには写真を撮らせてあげたという。

そんな真面目な良いお話の後、ナニで10トントラックを引っ張る別の修験者さんの弟子になって、ちゃっかりその人のナニを巻き付けた棒に乗っかってみるっていうエピソード、もうカオス過ぎてわけ分からない。すげー面白かった。

■スリ族との撮影エピソード
これまでに、銀座や渋谷の作品展でヨシダナギさんの作品を実際に拝見してきましたが、それらの写真を撮影したときのリアルな裏話が聞けて、さらに作品が好きになりました。

例えば、エチオピアのスリ族の撮影のエピソード。やっぱり、撮影のギャラ目当てで過剰なアピールをしてくる子どもなどもいるようで。髪を引っ張ってきたり、お尻を蹴ってきたり、カメラを叩いたりなどしてくる子がいるなか、ちょっと離れたところでひっそり静かに自分のポーズを決めてる子がいたりして、そのプロのモデルのような態度の子を撮影した、と。「距離感」って大事ですよね。わちゃわちゃアピールしてくるうっとうしいモデルじゃなくて、ちょっと離れて自分らしさをアピールしてるモデルを見つけられるのは、ヨシダさんの特技なんじゃないですかね。誰でもできることではないですよ。

あと、スリ族の装いが、民族の文化というより、自分たちの個性を表現するためのファッションのようなもの、っていうのも面白かった。身体に描いた模様とか、それ自体になにか特別な意味があるというのではなく、自分がそうしたいと思ったからそういう模様にした、と。なんか、かっこいいな。そして、ヨシダさんの写真集のタイトルでもある『SURI COLLECTION』も、そういう風にひとりのモデルさんがいくつものファッションをまとう「パリコレクション」にかけているのだそうです。

■トゥアレグ族が青の民族と呼ばれる理由
アルジェリアのトゥアレグ族。別名「青の民族」。藍で染めたインディゴブルーの衣装に身を包んだ砂漠の民。この写真も、かっこ良いんだよねー。この写真を撮るコツを教えてもらいました。ポイントは逆光。ヨシダさんの作品の特徴とも言える、後ろからの光は、そこにいる被写体の人たちを「ヒーロー」のように撮るため。で、RAWデータで撮影したその写真の加工前の状態を見せていただきましたが、確かに全然違う。この、撮影したままの状態から、Adobeのライトルームを使って「カーソルを右にぎゅー」とやると、ヨシダさんの写真が完成するそうです。ホント?今度、僕もやってみよう。

写真ってさ、確かにカメラの扱いに習熟していて、綺麗な写真を撮る人はたくさんいます。カメラの性能がどんどん上がっていって、機能を使いこなせばある程度の写真は誰でも撮れる。でも、写真の本当の価値って、綺麗に撮るってだけではないと思うんですよ。その人にしか撮れない写真。その場所でしか撮れない写真がある。

ヨシダさんは、自分のことを「カメラの運び屋」って、自虐的におっしゃってるみたいですけど。この写真は、ヨシダさんにしか撮れないと思う。エチオピアのアファール族の写真を撮ったときのエピソードもすごく興味深い。集落に入るところから、お土産を渡して、モデルを選んで、移動の車の中でドライバーを含めてスタッフもモデルもナギさんもみんなゲロ吐きながら、アファール族の伝説の聖地にたどり着いて、モデルの個性を十分に理解したうえで「センター」の重要性を学びつつ、そして撮ったのがこの写真。

ナギさんの作品展で、「こんな白飛びはダメだ」とかいう感想を言ってた自称カメラ好きがいるようだけど、そういう問題じゃない。そこはどうでも良いって言うか、そこはこの作品のポイントじゃない。同じカメラを持っていって、同じモデルと出会ったとしても、ヨシダナギさんと同じ写真を撮れる人はいないと思うよ。

だから、ナギさんには今後も写真を撮り続けて欲しいな、と。

あと、僕も正直1万2千円の写真集はちょっと高いな、と思ってました。製本のこだわりポイントを直接伺って、その金額分の価値は十分にあるな、と思いました。なんか、すみません。

というわけで、台風の日にわざわざ来たかいがあったな、と。8月1日には、ヨシダナギさんが撮影した写真が表紙とグラビアに使われている、雑誌『Pen』が発売されるとのことで、さっそくさっき予約購入しました。と、8月8日は、TBSの「クレイジージャーニー」にご出演されるそうですよ。

なんか、軽く追っかけみたくヨシダナギさんの写真展やトークに参加してますけど、応援していますのでこれからも身体に気をつけて良い旅を。




by t0maki | 2018-07-28 17:52 | アート>写真 | Comments(0)

書くこと、つくることが好き。旅をしながら写真を撮ったり、製品レビューをしたり、思いつきでいろんなところに飛び込んでみたりします。英語と走ることが得意。

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