それは「PR」なのか「AD」なのか
2018年 07月 18日

広告として報酬をもらって書く記事は「PR」なのか、「AD」なのかっていう話。
そもそも、「広告(AD)」と、「広報(PR)」は似て非なるもの。お金をもらって広告として掲載するなら、PRじゃなくてADじゃないかなぁと僕は思うんですけど、なんとなく一般的にはステマ防止にPRって入れてることが多いような。あれ?
もうちょっと詳しく説明すると、広告は、もう単純に「広告枠」を買って、宣伝すること。テレビも新聞雑誌もラジオも、広告枠を売ることで、番組づくりの予算にしてる。ウェブもSNSも同様、広告バナーや、広告記事などがある。これすなわち、AD。
一方の広報・PRは、企業やブランドが面白いイベントやプロモーション企画を行って、プレスリリースなどで告知をしたり、雑誌や媒体に売り込んだりして、ニュースメディアやバラエティ番組の特集コーナーなどが取材をして載ること。あくまで、コンテンツのネタとして提供して、載せたい人は是非載せてください、と。広告と違って、そこは基本的に掲載費はない。まぁ、少なくとも、建前上は。というわけで、こっちがPR。
ざっくり分けると、お金を払って広告枠を買うのが広告(AD)で、情報を提供して載せてもらうのが広報(PR)ということ。
なので、ウェブメディアがお金をもらって記事を書くのは「AD」だと思うんです。雑誌の広告ページとか、新聞の広告欄、テレビCMもみんなAD広告。
で、企業やブランドから情報をもらって記事を書いたり、金銭はもらわないけどプレスイベントやファンイベントなどに参加して記事を書くのが「PR」ということですね。テレビ番組や雑誌の特集コーナーで紹介されるとか。広告枠じゃないところに、記事やコンテンツとして載るとか。口コミとして情報が広がってく感じ。
ちょっと例外として「インフォマーシャル」的に、コンテンツっぽくみせて実は広告・タイアップ、なんてのもありますけどね。タイムラインに紛れ込ませるネイティブ広告とか。
ま、そんなのもありつつ。
つまり、ウェブやSNS等でお金をもらって商品やサービスを宣伝してる、いわゆる「インフルエンサー」的な人が発信するものは、広告(AD)ですね。ステマ防止のために、きちんと広告であることがわかるようにしておくことが大切。
一方、製品やブランドのファンが発信することは広報(PR)の方。お金をもらわずに、自分のSNSやブログなどのメディアで発信する方ね。こっちは、「アンバサダーマーケティング」とも言いますが。アンバサダーは、基本的にはPRなわけです。ポイントは、「広告報酬を受け取っていない」ってこと。
お金をもらって載せるか、こちらが興味をもって取材やリサーチして載せるか。それが、ADとPRの違い。まぁ、PRでありながら口コミを集めるために企業がお金を払ったりするので、その境界は曖昧だったりもするわけですけど、単純化するとそんな感じ。
だから、報酬をもらって商品を宣伝する「タレントアンバサダー」は「広告塔」、すなわちADってこと。これは、ファンベースのアンバサダーマーケティングとは、一線を画すもの。という理解。
個人的には、こんな認識なんですけど、どうですかね?人それぞれ意見はあると思いますが。僕のブログでも、明らかにADの内容ですけど先方からの指示で「PR」って書くことありますし。きっかけはADでも、いったん好きになって、その後いろいろ自分で調べたり体験したりしながら書いたりするのは、すでに広告でもなく、個人的な「好き」の表現だったりもするし。そこらへんの線引きがね。
要は、広告なのにそれを意図的に隠す「ステマ(ステルスマーケティング)」だと思われないことが重要なので、この際ADでもPRでも、何かしら宣伝であることがわかるように、まずはしっかりその旨を書いておきましょう、と。そっからですかね。