サピエンス全史、めちゃ面白いなこれ。人類の歴史を見渡しつつ

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僕は、大学でアートを専攻する前は、人類学を学ぶ気満々でした。実際に、まだ留学を決意する前は国公立受験と併願で早稲田大学のヒューマンエコロジー的な学部を受験する予定だったし、アメリカのネバダ州にある大学に入学した後もしばらくは人類学部に籍を置いてました。人間について学ぶのが好き。歴史とか、哲学とか、宗教とか、文化とか、すごく面白いと思う。結局、アートの方がもっと面白くなっちゃって、アート学部に転部しないと卒業できないくらいアート系の単位を取っちゃったので、途中からアート学部陶芸彫刻学科に移りましたが。でも今でも、人間について考えたり学んだりするのは好き。生物学的にとか、認知学的にとか、とにかくなんでも。むしろ、アートに惹かれたのも、それが人間の本質に一番近いと感じたから。作りたいという創作欲求は、人間の根源に近いところにあるから。

前置きが長くなったけど、『サピエンス全史』がめちゃめちゃ面白くて、多少飛ばし飛ばしだけど上下巻を三、四時間くらいで一気に読んでしまいました。いろんなものが「腑に落ちる」感じ。歴史や経済、文化、宗教など、人間の誕生から今までの歩みがいろんな側面から分かりやすく簡潔に書かれてあって、「あぁ、そういうことだったのか」って感じですごく納得できる。目からウロコがボロボロこぼれ落ちてく感じ。

多分、それぞれの分野の専門家が読んだら「ここはちょっと違うんだよなぁ、もっとここがこうなってね……」みたいなことがあるんだろうと思うけど、すごく広い分野をうまく単純化して整合性をつけて、しかも分かりやすく伝えてる点で、ものすごく楽しめる読み物になってる。すっごい遠くから俯瞰しつつ、えらい勢いで現代まで話を繋げて、そして本の最後では未来までもチラッと垣間見せる感じ。これはぜひ、みんなにもオススメしたい本です。人間として生まれたからには、きちんと理解しておきたいことばかり。

で、こっからは個人的な意見になるんだけど、シンギュラリティについて。電脳が人間を超える日が来るのか、と。ある意味、一部のデータ処理なんかは、コンピュータの方が人間よりももっともっと効率よく動いてくれる。計算とか、検索とか、参照して識別してひたすら指示通りに処理を繰り返すのは、人間よりももっと素早く正確にこなしてくれる。

ただ、機械やコンピュータが人間以上の存在として、さながらアメコミヒーローのように「新しい人類」になるかというと、それはちょっと違うよなー、と思う。機械やプログラムは便利なツールだけど、それが有機的な生命体に取って代わることは無さそう。どんなに精巧な義手も、それを使う人がいて初めての機能する。

ロボットとか、人工知能とか。なんでも人間は、擬人化したがる。捉えどころのないものを人にたとえることで、理解しやすくなるんだよな。それは、宗教もテクノロジーも同じ。擬人化された神と、擬人化されたテクノロジー。そうするふことで、イメージしやすくなる。

で、何が言いたかったんだっけ?

そう、科学と宗教は相容れないみたいな考え、実はそうでもなくて、どちらも根っこの方では繋がってると思うんだ。信仰によって心の安らぎを得ようとするのも、科学技術によって僕らの暮らしを便利にするのも、その根本にあるのは人間がより良い暮らしを求めること、幸せを追い求めるってことだよね、と。

歴史って、一直線にある目的を持って進んでいるわけではなくて、ある時は精神的な幸せを追い求めるし、それが過ぎると物質的な豊かさを追い求めるし、それは両方とも共存しつつ、でっかい振り子のように行ったり来たりしてる。ルネサンス以降、人は科学寄りに進歩してきたけど、それ自体は4,000年前にもあったもの。

振り子というより、コマみたいなもの。ゆらゆら回転しながら、その軸も移動している感じ。

思うんだけど、今この瞬間って結構科学信仰から精神の拠り所を探究する変わり目のタイミングなのかな、とも思うわけですよ。なかなかに面白い時代。グルグル回転しながら、次はどんな方向に人類は向かってるんですかね。

なんてことを考えつつ、会社帰りのブログ更新。

by t0maki | 2018-04-12 19:00 | ライフスタイル>映画・書籍 | Comments(0)

書くこと、つくることが好き。旅をしながら写真を撮ったり、製品レビューをしたり、思いつきでいろんなところに飛び込んでみたりします。英語と走ることが得意。

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