アンバサダーのアンバサダーということで

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アンバサダーマーケティングに興味があって、僕自身もいろんなアンバサダーをやらせてもらってます。いわば、アンバサダーのアンバサダーということで。

ここで言う「アンバサダー」は、いわゆる一昔前の「タレントアンバサダー」のことではありません。有名人に報酬を払って、プロダクトの宣伝をしてもらうっていうのが旧来のアンバサダー。もちろん、今でも続いてる宣伝広告の手法ですが。

今回僕が言いたいアンバサダーとは、一般のユーザーやファン同士がつながって、企業と一緒に商品やブランドを盛り上げよう!っていう、インターネット時代ならではのマーケティング施策のこと。昔は、口コミが伝わるのはその人の周りのごく限られた人たちだけでしたが、インターネットやSNSによって個人の発信力が高まり、ひとりひとりの口コミ力が高まって相乗効果が得られるようになった、と。そういった中で、ファンのひとたちと効果的なコミュニケーションをとりつつ、盛り上げていこうよ、ということ。

僕が「アンバサダー」的な活動をするようになったのは、2012年にカナダ政府観光局の「オーロラ王国ブロガー観光大使」に選ばれたのがきっかけ。オーロラをテーマに、カナダの魅力を広めるっていうのをミッションに、実際にカナダのホワイトホースに訪れて、オーロラを見てきました。この体験がすばらしかったので、一気にカナダが好きになり、その後も定期的にカナダ大使館を訪れたり、昨年はカナダ建国150年をということで「カナダ150周年ブログアンバサダー」として活動もしました。

もともと旅が好きなので、国内外のいろんなところを訪れ、プチ移住体験などをしたりして記事を書いたりはしてきましたが、たいていは記事を書いて終わり。個人的に知り合った人とはその後もコミュニケーションをとるものの、案件としては記事を納品した時点で終わってしまう。その点、アンバサダーになると定期的にイベントに参加したり、いろんな情報を教えてもらったり、つながりが広がってまた次のきっかけに結びついたり、有機的にどんどん広がっていくのが面白いです(もちろん、そういうのとは無縁のアンバサダー施策もありますが)。

僕は、2016年に初めてチェコ共和国を訪れ、すっかりこの国のことが好きになり、日本に帰国してからも国内のチェコ関連のイベントにどんどん参加していたら、2017年のプレス向けFAMツアーでチェコを再訪することができ、そして今年はなんと駐日チェコ共和国大使館で駐日特命全権大使のトマーシュ・ドゥプさんから認定証をいただき、正式に「チェコ親善アンバサダー2018」になりました!「好きだ好きだ」と言い続けてたら、なんと好きなものが向こうからやってきた、みたいな感じでとても嬉しいです。
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ファンを巻き込んで、ファンと一緒に盛り上げていこう、というのがこの新しい「アンバサダーマーケティング」の特徴。よく似ているのが「インフルエンサーマーケティング」ですが、こちらはどちらかというとSNSでの発信力が強く、「影響力」を持っているひとたちだけに依頼して、広告宣伝的な発言をしてもらおうというものなので、実はアンバサダーの方が裾野が広いです。

インフルエンサー: SNSの拡散力(フォロワー数、PV数)が必要。特にそのブランドを好きでいる必要なない。
アンバサダー: そのブランドやプロダクトが好きであれば誰でもなれる。自発的に商品を推奨する。

もともとそのブランドや商品が好きだったけど、「アンバサダー」になることでさらに好きになり、商品の情報なども積極的に調べたり、発信したりするように。企業は、その発信をサポートするための情報を提供したり、イベントを開催したりしますが、ここで大事なポイントがひとつ。それは、アンバサダーに商品を売りつけない、ということ。アンバサダーは、新製品を売りつける相手ではありません。ましてや、ねずみ講のように購入者のネットワークを広げていくのは、アンバサダーとは異なる商法です。

企業の担当者が、「好きでいてくれてありがとう、あなたの活動に感謝しています」っていう気持ちがアンバサダーにきちんと伝われば良い。それによってちょっとした特別感とか、アンバサダー同士の横のつながりも生まれたりして、コミュニティが形成されていくイメージ。

現在、僕は30以上のいろいろな企業・ブランドの「アンバサダー」として活動をしています。積極的にいろいろと関わっているものもありますし、中には称号をもらっただけであまり動けていないものも。気づいたら、そのアンバサダー施策自体が終わっていた、なんてものもあります。好きを醸成して、ていねいにコミュニケーションの輪を広げていくのがアンバサダーマーケティングの肝なのに、その施策自体が終わってしまうのは非常にもったいない。むしろ、中途半端に手をつけて、途中で止めてしまうのであれば、最初からやらない方がよいです。好きを醸成するというのは、短期間でできることではないですし、目に見える形で分かりやすい数字として現れるものではなく、長くやり続けることで少しずつ確実に広がっていくもの。くれぐれも、ファンになってくれた人たちの「好き」という気持ちを裏切らないように。ていねいなコミュニケーションと、一体感が大切です。
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終了したものも含めて、僕は今までに60以上の「アンバサダー」として活動をしてきたんですけど、同じアンバサダー施策でもいろいろ差があるなぁ、と実感しています。

アンバサダーと一緒にいろんなことを積極的にやってる企業/ブランドのアンバサダー施策は、参加していてもすごく楽しい。SNS上のキャンペーンや、リアルなイベント、情報提供や、双方向のやりとりなど。逆に、「これって単なるメルマガ会員だよね」っていうレベルのものもあったり。メールも来なくなり、ある日突然「アンバサダー終了のお知らせ」みたいな連絡が来ることも。予算の都合で仕方が無いことなのでしょうけど、終わるにしてもそこでぶった切るのではなく、もう少し上手なコミュニケーションが大切。メルマガのCRMにつなげるとか、SNS公式アカウントを知らせるだけでも、まったく何もせずに切ってしまうよりは良いと思います。

まだまだ書き足りないこともありますが、今日はこのへんで。

というわけで、アンバサダーのアンバサダーとして、これからもアンバサダー活動をがんばっていこうと思います。


by t0maki | 2018-02-23 18:47 | アンバサダー | Comments(0)