まもなく日本橋です。Arriving at Nihombashi, G11

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頭をシャカシャカ振って出すか。あるいは、滲み出てくるのを待つか。頭蓋の裏側にへばりついた、思考のカケラ。

言葉を紡ぐということについて書くということが書くという意識の内なるスパイラルとなり、スピーカーで拡声されたマイクの音源が無限ループでハウリングを起こすかのような、今。

地下鉄で、太った男の隣に座っている。ノイズキャンセリングヘッドホンの向こう側にある車内の音が遠くに聞こえる。

太った男が電車を降りたので、僕は横スライドしてその男が座っていたドア脇隅の座席に移動する。僕が座っていた席には、新たに乗ってきた女性が座った。

「発車致します、閉まるドアにご注意ください」「白線の内側におさがりくださーい」
機械による音声アナウンスと、駅員さんの肉声がシンクロする。

「まもなく日本橋です。足元にご注意ください。出口は左側です。Arriving at Nihombashi, G11」

そこで、目を閉じる


by t0maki | 2017-04-05 10:20 | Comments(0)