ドキュメンタリー映画『Mallory』を鑑賞。自分を変えるためのきっかけとは?

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貧しい人を助けようとして食べ物を与えたとしても、その施しをあてにして貧乏人が全く働く意欲をなくしてしまうようであれば、その施しは人を堕落させる悪行とも言える。もちろん、飢餓から救ってあげるのは尊い行為だ。問題は、単に食べ物を分け与えることが、解決策となるのか、ということ。余った食べ物や小銭を渡すことは、一時的な解決にはなるかもしれない。なにより、与えた方は気分が良い。でも、それは根本的な解決にはならないだろう。

「きっかけ」を与えてあげること。貧困から抜け出すきっかけとは?

仕事が見つかればお金を稼ぐことができ、自分で食べ物を買えるようになるだろう。何かしら、自分の強みを行かせること。スキルが足りなければ、身につければ良い。どのようにスキルを身につければ良いかは、教えてあげることができる。

結局のところ、自分を救えるのは自分だけだ。なにかのせいにしていても仕方ない。自分が変わらなければ。

すべての人を救うことはできないかもしれないけど、「きっかけ」を与えることはできる。道を指し示すことはできる。応援することはできる。けど、本人が変わろうとしなければ、変われないよ。

ほんの小さなきっかけで良いんだ。あとはそこにしがみついて、なんとしても振り落とされないように頑張るだけ。見守っていてくれる存在があれば、あきらめずに頑張れる。

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駐日チェコ共和国大使館の映写室で、ヘレナ・トゥジェシュチーコヴァー監督によるドキュメンタリー映画『Mallory』を観た。監督が13年間にわたって、元薬物中毒者のMalloryという女性を追ったドキュメンタリー作品。貧困に苦しみ、一度はホームレスになって車上暮らしをするけれど、なんとか「普通の」暮らしをしようと必死に生きる姿をありのままにとらえた映画。

彼女が変わるきっかけになったのは、カレル橋での有名人との出会い。それによって、薬物を絶つ決意をする。もうひとつのきっかけは、たぶんこの映画監督との出会い。具体的に何かを与えたわけではなく、ただ、カメラとともに見守り、記録していったことで、Malloryは自分から変わるという選択とチャレンジができたのだと思う。

僕も、大学卒業後にアメリカの西海岸をさまよいながらホームレス状態を経験していたから共感できる。ほんのちょっとのきっかけで良いんだ。見守ってくれる人がいるだけでも良い。それで、人は変われる。変わろうと努力することができる。

by t0maki | 2017-03-13 20:42 | ライフスタイル>映画・書籍 | Comments(0)