「日本ってかっこいい!」って言ってもらえたらいいよね

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英語で言うところの「Zen」に興味を持っている人がよく日本に来たりするけど、実は西洋のZenと日本の禅は似ているようでちょっと違ってて、マインドフルネスが逆輸入されちゃったりするあたり、「文化」って複雑……。

「クール・ジャパン」とか、実際に何をやってるのか僕はあんまり把握してないけど、外国人の視点で日本に興味を持ってくれた人たちを満足させるためには、古いだけの文化とか、うわべだけのポップカルチャーだけじゃなくて、きちんとニーズを発見してそれを分析し、どのようなアプローチをしようか考えた方が良いんじゃないかなぁと思うわけです。海外の人が持つ、日本人の「Zen」のイメージをうまく可視化できるような、そんな取り組みができれば良いと思う。それは、古いだけの日本のイメージの押し売りではなくて、伝統の上に新しさを加えたスタイリッシュなもの。そこに必要なのは、デザインの力だと思うのです。

世界に通用する日本の文化は、ただ単に古いだけでなく、あるいは表面的に目新しいだけでなく、その両方を兼ね備えたものであるはずなんだ。日本のルーツに根差していて、かつ斬新なもの。

例えば古典芸能の人形浄瑠璃と、若い創作家たちがつくってる球体関節人形を組み合わせたら、すごく面白い上演ができると思う。伝統的なものの上に、新しいものを乗せるっていうこと。美しく耽美な人形たちが、一流の人形遣いたちによって生きているように動き、そこに現代的な音楽や演出、ストーリーなどが組み合わさったら、本当に面白いものができると思う。

先日、チェコ政府観光局に招待いただいてチェコを巡った時、歴史的な建物や街並みにも十分感動したけど、やっぱり心に残ったのはそういった伝統の中に新しいものが加わった瞬間。プラハの『Eska』っていうレストランで食べた料理は、地元のキノコなどの食材を使いつつ、新しくてスタイリッシュなメニューに仕上げていた。ブルノの国立劇場でドボルザークのオペラ『悪魔とカーチャ』を観劇したときも、古い演目でありながらプロジェクションマッピングや新しい解釈の演出で古典のストーリーが新しく表現されてた。古い納骨堂を現代アートと組み合わせて展示したり、古い地下道を利用したモダンなレストランや、城の地下での現代彫刻展示など。古くから伝わるものをすごく良い感じで新しくリノベーションして活用している。

日本でも、古民家を再生した居心地の良いゲストハウスなどがあって、先日宿泊した富山県南砺市の建具屋を改装した建物もすごく良い空間だった。地元の彫刻家の作品も飾ってあって。古民家再生は、もっとどんどん取り組んだら良いと思う。たんにリフォームするだけでなく、その土地の文化に根付いた感じで、きちんとデザインをすればかなり良いものができると思うよ。

別に、派手なものにする必要はない。ちょっとした工夫で良いんだけどな。
「日本ってかっこいいじゃん」っていうものをつくりたい。


by t0maki | 2017-01-24 21:38 | 乱文・雑文 | Comments(0)