サンタはひとりじゃない
2016年 12月 25日
小5の娘は「サンタはいない」と言う。
42のオレは「サンタはもちろんいるよ」と言う。
1人のおじいさんが世界中の子供達にプレゼントを運ぶ話はそれはそれで良いけど、それが真実じゃないのはみんな知ってる。ホントのサンタとは?
子供を想う親や家族やみんなの心が、サンタなんだ。子供の枕元や、ツリーの下にプレゼントを置く大人たちひとりひとりが、サンタクロースだってこと。
周りの人たちを幸せにしたいと思う心。子供達の喜ぶ顔が見たいという気持ち。サンタはひとりじゃない。
「サンタはいると思う?」っていう質問は、「あなたは神を信じますか?」という問いかけと似ている。サンタも、神も、観念的なメタファーととらえると、「他人を思いやる心」や、「より良い未来」であったり、「みんなを幸せにしてあげること」こそが信仰の対象であると言える。赤い服のおじいさんや、神を表した銅像は、その信仰を分かりやすく形にしたシンボルとしての偶像でしかない。
今回、チェコ政府観光局にご招待いただいてチェコを旅して、たくさんの教会を見学したわけだが、実はチェコ人はヨーロッパでも無宗教の人の割合が多いことで有名。それはちょうど、こんなにもたくさんの神社仏閣がありながら特定の宗教を信じていない日本人ともよく似ている。
神を信じないことが、すなわち信仰心を持たないということではない。サンタを信じないからといって、クリスマスを無視することが無いように。他人の信仰は尊重することができるし、特定の宗教に属さなくとも人々の幸せを願うことはできる。
「天国」っていう想像上の世界が存在するかは分からないけど、確かなのは我々が死んだ後もこの世は存在するということ。その「死後の世界」により良い社会を構築するために、今私たちは何ができるのか?何をすべきなのか?
宗教と科学は一見相反するものに見えるけど、人々をもっと幸せにしようとする点では目的は同じ。精神的か、物質的かというアプローチの違い。そして、この2軸は振り子のように往復運動や回転運動をしつつ、ゆっくりと確実に高みへと登っていく。
僕は、宗教的でも無いし、科学的でもないけど、ひとりの「日曜アーティスト」として、観察し、感じ取り、考えた上で、形にする。
日付が変わって、今日はもうクリスマスだ。
by t0maki
| 2016-12-25 02:04
|
Comments(0)