拝啓、キヤノンさまへ
2016年 08月 25日
そりゃ、まぁ、修理して長く使ってもらうより、新しいのを買ってもらった方がメーカー側にとっては都合良いよな。だからってさ、修理料金を見積もったら新品よりも高い金額を請求してくるってどういうことなの?新しいのを買えってことなんだろうけど、僕はこのカメラをずっと使いたいんだよ。同じ型番の他のカメラじゃダメなんだよ。
■センチメンタルバリュー
思い入れというのかな。このカメラとの思い出。このカメラを買ったきっかけは、発売前にモニターさせてもらって、良いカメラだと知ってたから。カナダにオーロラを見に行く旅をした時に購入しました。そん時にメインの一眼レフはレンズのモーターが凍って使えず、このコンパクトデジタルカメラ(コンデジ)だけでずっとオーロラを撮影しました。その後も、結婚10周年記念のバレンタインデーに、挙式したロンドンの教会を撮影したり、ニューヨークのダウンタウンを彷徨いながら撮ったり、昨年はベトナムの家族旅行、そして先月のニュージーランドでは火山活動の温泉と硫黄が噴き出す湖畔で、早朝荘厳な景色を撮影しました。海外だけでなく、普段使いとしてブログ用の写真撮影から日常のスナップまで、これ一台でなんでも撮影してきました。
■サービスセンターに持ち込み
ちょっとずつちょっとずつあちこち壊れてきて、約三年半経った或る日とうとう電源が入らなくなりました。なので、銀座にあるキヤノンのサービスセンターに直接持ち込み。周りがごっつい高級そうな一眼レフカメラを持ち込んでる中、僕だけ塗装も禿げてネジも飛んでて、シャッターボタンも外れたオンボロのコンデジ。たぶん、サービスセンターの担当者も、「こんなボロボロのカメラを持ち込みやがって」って思ったんじゃないかな。「通常1万2千円くらいかかりますが、場合によってはもっとかかる場合もございます」って説明を受けて、そのまま預けてきました。後日電話がかかってきて、「4万5千円以上かかりますがどうされますか?」と。その時点で、そんな金は無いからいったん引き取って、改めてお金が貯まったら修理を検討することに。
■壊れたまま引き取り
そして今日、お盆休み明けのサービスセンターにカメラを引き取りに行ってきました。正確な修理金額を改めてスタッフさんに質問したら「さぁ…」みたいな反応で、「中が腐食してるので2万か3万かかる場合もありますので」って言われて「電話で4万5千円以上かかると聞いたのですが」と言ったら相手は黙ってしまった。お金を貯めたら改めて修理したい旨を伝えて、「例えばなんですけど、僕が新しい同機種のカメラを買ったとして、外側だけ古いのを再利用するとかできますか?」と質問したら、そこだけは自信を持って「それはここではできません」とはっきり答えてくれた。
■ユーザーとメーカーとの接点
製品が壊れるのは仕方ない。修理するのに新品よりも高くなる金額設定はどう考えてもおかしいと思うのだけど、向こうがそういうのだからそれなりの理由があるんだろう。自分にとってこのカメラは、単なる壊れたコンデジではなく、それ以上の存在だったってことを伝えたかった。サービスセンターって、カメラに愛情を注いでる人が集まる場所だと思うんですよ。カメラの値段に関係なく、みんな自分のカメラが好きだから、直してまでまだ使おうとしてる。こういうサービスセンターは、メーカーとユーザーとの大切な接点になり得ると思うのだけど、その対応はあまりにドライで事務的で、カメラへの愛は無い。僕の、このかめらへの思いは、誰にも伝えられないまま。壊れたままのカメラだけが残った。
■というわけで
仕方が無いので、このブログに今の気持ちを書いとく。素晴らしいカメラを作ってくれてありがとう。何万枚の写真を撮ったかもう覚えてないけど(今度数えてみる)、たくさんの思い出をこのカメラで切り取って残してきました。感謝しています。
いつか、キヤノンに近い人にこの記事が届く事を願いつつ。
by t0maki
| 2016-08-25 18:41
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