スリープレス イン 北半球から南半球の境目あたり
2016年 07月 04日
98年に大学を卒業した後、宝石デザイン会社の広告部門で写真の仕事をするようになった。フォトショップの使い方とウェブサイトの作り方を覚えたその頃から、生活の中心にパソコンとインターネットがいつもあった。
帰国した後、地元の小さなプロバイダーに就職。インターネットユーザーのカスタマーサポートや、地元のショップや企業のウェブ制作をしつつ、併設のパソコンスクールでインストラクターの仕事もした。
「インターネットはこんなにすごいんですよ」っていう説明をすると、みんな目を輝かせて聞いてくれる。
その後、ウェブ制作がフルタイムの本業となり、趣味のサイト作りも続けつつ、フォトログを始めたり、山ほどつくった待受画像がひっきりなしに雑誌に掲載されたりもして、ますますデジタルとネットの世界に入り込んでいく。
ブログを書くようになって、知識や体験をどんどんネット上にアーカイブ化していくことで、自分の脳みそがネット上の「外部脳」と直結しているかのように感じるようになった。プラグアンドプレイの周辺機器としての、電脳化したオレの脳みその一部。
ネットへのアクセスを失うと、自分の一部を失ったかのように感じる。実際それは比喩ではなく現実である。記憶や自分の体験の一部は、最早ネット上にしか存在しない。それは仮想現実ではなく、そこにしか存在しない現実。
成田空港からオークランド空港への9時間のフライト。ネットが閲覧できず、そこに配信もできない状態で、オフラインの不安と不満を持て余しつつ、そんなことを考えていた。
by t0maki
| 2016-07-04 11:10
| ライフスタイル>旅
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