きっかけと、つながりの原点は震災翌月のチャリティ展
2016年 04月 14日
きっかけは何だっていい。とにかく動き始めて、次につなげることができれば。
東日本大震災の翌月、2011年4月23日~24日に開催された「HEART for Japan」っていうチャリティー展に参加したのが、ある意味僕の「原点」だったかなと思うのです。その原点には二つの意味があって、ひとつは「日曜アーティスト」として作品を発表することの原点。このチャリティ展がきっかけで、いろいろ繋がりもできて、自分でも積極的に作品展やグループ展などに作品発表をするようになった。
もうひとつは、東北復興に関わるきっかけ。でっかい災害が発生して、なんとかしたい、なんとかしなければならないのに何をすれば良いのかわからない。チャリティ展への参加は、とりあえずなにかしら始めるって意味では、すごく自分にとって役に立ちました。
最初はなんだって構わない。自己満足的な少額の寄付だって悪くない。それで「偽善だ」なんて後ろ指刺される筋合いはない。みんな、できることをやればよい。そして、支援の輪を少しずつ、少しずつ大きくしていくっていうこと。「助けてあげる」っていうよりも、「一緒になにかやろうよ」って、手を差し出す。あれから5年経って、ようやく僕も自信を持って言えるようになった。「一緒に面白いことなんかやろうよ」って。
その、きっかけになったイベント。
原宿のデザインフェスタギャラリーが会場でした。ちょっと個人的にも縁があるギャラリーで、なんか呼ばれてる気がしてそのチャリティ展に参加。二つの作品を展示・販売しました。
ひとつは、アナグリフっていう、3D作品。青色と赤色のメガネをかけると、立体に見えるあれ。
ちょうどそのちょっと前に、カメラ機能がまったく同じ携帯電話を2台レビューしていて、その携帯のカメラを並べて、同時に写真を撮影すると、ステレオ効果で立体写真が撮れるのですよ。昔の3D写真も、そんな感じでレンズ二個で「サイドバイサイド」って方式で撮影し、あとから専用のレンズで覗くと立体に見えるという。まぁ、とにかく。その写真をメガネ付きで出品。
で、もう一つは小さなマッチ棒の作品。マッチ棒の火薬の部分を、粘土でつくって顔にしたっていうだけなんですけど。
でね、そのチャリティ展には作品を販売する価格が「1000円以上」っていうきまりがあって、まぁ自分のつくった作品があまりにもしょぼくて、これを1000円で販売するのはあまりに忍びないので、こっそり作品の中に千円札を仕込んどいたんですよ。なので、この作品を1000円で買ったら、その作品の中に1000円札が入っているので、買った人は良かったね、っていう。
そしたらびっくりすることが起きて。その1000円札を仕込んだ売値1000円の作品を、なんと2000円出して買ってくれた人がいて。一応、チャリティ展だから、買う方も自由に値段をつけて良いことになってたんだけど、販売価格1000円の作品を、2000円出して買ってくれる人がいるなんてね。僕はちょっとした思いつきで作品の中に1000円札を仕込んどいただけなんだけど、その1000円をもらって得したと思わずに、さらに1000円上乗せして買ってくれた。世の中には、良い人がいるんだなぁ、と。
それから、僕もいろいろ作品展やグループ展に紛れ込むようになって、いつの間にか元教室だったスペースをシャアアトリエにする企画に飛び込んだり、キッズ向けのワークショップを開いたり、ギャラリーショップに作品を置かせてもらったり、そして昨年はTomatoのカリスマクリエイターたちが講師を務める10日間のワークショップに参加させていただき、そこでやっぱり自分にとってクリエイティブでいるってことがそのまま今の「日曜アーティスト」の活動につながっているって気づいて、前にもましていろんなところに飛び込みつつ、このブログにアウトプットするようになった、と。
巡り巡って、元いた場所に戻ってきた感じかもしれないけど、いろいろ見て、聞いて、体験して、以前よりもっと自信をもって自分が自分でいられるようになった。
今年は、震災記念日前後に、福島県の西のはずれで除雪をして、その翌週にはその反対側で野菜と魚と畑の土を食べて。ニューヨークのアーティストさんの作品展をちょびっと手伝って、桜を見ながら桜のドキュメンタリーを見て。福島のお酒を2夜続けて違う場所で飲んだり。面白そうなことをみんなと一緒にやってるだけ。むしろ、助けてもらってるのは僕の方。東北に行くたび、東北の人と一緒になるたび、元気をもらうのは僕の方。
いろんなところに飛び込んで、体験したことを、このブログに書いていく。
それがなんかの意味のあることなのか、誰かのためになってるかは分からないけど、とにかくとりあえずそれが自分にとって一番しっくりくるから、書き続けているだけ。
あと一週間ほどでまた一つ年を取って、42歳になる。
ここにきて、ますます人生がいろいろ面白くなってきている。
また次の一年も、思いっきり駆け抜けますよ。
by t0maki
| 2016-04-14 21:13
| アート
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