脳がゆっくり枯れてくってこと
2016年 02月 26日
気づけば、周囲に同じ名前の人ばかりが集まってくる。どこかで聞いたことのある名前の人ばかり。そして、最終的には全員が同じ名前になる。スーパーの渡辺さん。交番の渡辺さん。飲み屋のナベさん。確か、自分の名前も渡辺だったかもしれない。
すれ違う人がだんだんみんな知り合いに見えてくる。人違いだということは分かってる。だって、60年前の友人が、当時と同じ容姿で現れるわけないもの。こんなにもみんなが知り合いに見える時は、逆にホントの知り合いに遭っても本人と気づかない。そっくりさんかと思ったら、実は本人だったという。
早いスピードで歩くと、感覚に認識力が追いつかないから、肉体が精神を離れて先に行ってしまい、ちょっとした幽体離脱感を味わう。自分はここにいるのに、身体が離れていってしまう。
認知症って怖いよね。でも多かれ少なかれ、年をとったら認識力が落ちてくる。脳みそがどんどん枯れていく感じ。これはホント怖い。
そんな状態で、本人は幸せなのか、不幸せなのか。感覚を認識できなければ、不幸を感じないという点で、幸せなのかもしれない。あるいは、もはや幸不幸の感覚もなく、ただ存在するだけなのか。
by t0maki
| 2016-02-26 00:57
| 乱文・雑文
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