日本の1.3倍の広さ、全員集まっても東京ドームが埋まらない……
2013年 12月 25日
空港から外に出た瞬間、あまりの寒さに息が吸えず、呼吸しようとすると気管がむせて咳が出る。気温はマイナス23℃。「寒い」というより「痛い」という感覚。このくらいの気温になると、普通に吐く息でまつ毛が凍ります。
カナダ観光局の『オーロラ王国ブロガー観光大使』としてユーコン準州のホワイトホースに到着したのは、12月5日の午後15時半頃。
なんといっても、この時期のホワイトホースは、平均最低気温がマイナス20℃ですからね。平均最高気温でさえ、驚きのマイナス10℃!!
正直、寒がりの僕はこの瞬間にもう気持ちがめげそうになりましたよ。
ただ、慣れっていうのは恐ろしいもので、初日の寒さ(特にその日の夜のマイナス36℃)を身体の芯まで体感したら、その後のマイナス10℃とかが快適に感じるのね。日中、邪魔な防寒具はホテルに置いて、普通にジャケットはおって「フンフン」って街中散歩したり。マイナス10℃は寒いは寒いけど、耐えられない寒さじゃなくって、むしろなんかすがすがしい感じ。気の持ち様なのかもしれないけど、自分の変化にびっくりですよ。
ちなみに、日本とユーコン準州の位置関係はこんな感じ。
緯度を比較するために日本をずずずーっと水平に移動してみると、こんなことになります。
北海道よりもさらにさらに、さらに北の方。
東京の緯度は北緯35度くらい。で、ユーコン準州のホワイトホースは北緯60度43分、と。12月の上旬は、日の出から日の入りまでわずか6時間くらいしかないという。10時ころにようやく太陽が見えたかと思うと、4時前には沈んでしまう。まさに、「極北の地」という感じです。ユーコン準州の上の方は、もう既に「北極圏」ですからね。なんと、北極圏まで車で行けちゃうという。
ユーコン準州は、広さ的には日本の国土の約1.3倍くらいもあるのですが、そこに住んでいる人口はわずか3万人ちょっと。東京ドームの収容人数って5.5万人くらいだから、もしユーコン在住の人が客席に全員座っても、会場スッカスカという……。その3万人のうち、2万人以上がこの州都ホワイトホースに住んでいます。逆に言うと、ホワイトホース以外の土地には1万人くらいの人しか住んでなくって、ただひたすら広大な自然が広がっている、と。
▼飛行機から見た景色。見渡す限り自然しかない。
歴史的には、もともと「ファーストネイション」って呼ばれる先住民の人たちが住んでいましたが、19世紀末のゴールドラッシュでたくさんの人たちが移住してきたとのこと。そこらへんの時代を舞台にした小説として、ジャック・ロンドンの『白い牙』とか『野性の呼び声』がありますが、そこらへんはまた別途紹介します。
僕は学生時代、アメリカ ネバダ州のリノという砂漠の街に住んでいて、そこもかつてシルバーマイニング(銀鉱)で栄えた街だったんですね。砂漠と雪という違いはあれ、過酷な自然の中に人工的な街をつくって集まって住んでいるっていう点では、なにかすごく共通している部分が多くて、親近感と懐かしさを感じました。
ホワイトホースも、砂漠ほどではないですが、こんなに雪が積もっているのに空気はかなり乾燥しています。空気中の水分さえも凍ってしまうんですかね。積もっている雪もサラッサラで、靴にも服にも全然付かない。雪合戦とかやろうとしても、玉にならずに粉のままファッサーって感じ。
地元の人が言ってたんですが、マイナス15℃とマイナス5℃だったら、マイナス15℃の方が過ごしやすいんだって。なぜなら、雪がべとつかないから。そんだけ寒いと雪が全然溶けないので、服も靴も濡れない、と。
ホント、日本では想像すらできないような環境。自然とか、そこに住んでいる人たち。実はオーロラ以外にも見所がいろいろありましたよ。っていうようなことをブログにも書いていければと思っています。
いや、ホント。書くこといっぱいで全部書ききれるんだろうか。
次回へ続く。
■ 『オーロラ王国ブロガー観光大使』記事まとめ
■ 「オーロラ王国ブロガー観光大使」 カナダ観光局公式ウェブサイト
by t0maki
| 2013-12-25 12:30
| ブロガーイベント
|
Comments(0)